GLP-1受容体作動薬の適正使用と英国のオンライン薬局における提供実態
Auf einen Blick
GLP-1受容体作動薬が肥満症治療で注目される中、日本では適応外使用が問題化。英国ではオンライン薬局を通じた処方が普及し、規制当局が減量薬を高リスク薬と位置付け、処方基準を強化した。世界市場は2030年に1000億ドル規模と予測される。
KI-generierte Zusammenfassung
Warum es wichtig ist
GLP-1受容体作動薬は肥満症治療薬として注目されており、世界市場は2030年に1000億ドル規模に達すると予測されている。日本では適応外使用が問題視され、英国ではオンライン薬局を通じた提供が普及している。
日本でもGLP-1(受容体作動薬)は話題沸騰です。2024年に肥満症治療薬「ウゴービ」が保険適用で発売され、2025年には「ゼップバウンド」が続きました(※)。
※参考:同じ有効成分でも、許認可は国・地域によって異なります。日本の「マンジャロ」は、チルゼパチドを有効成分とする2型糖尿病治療薬です。一方、肥満症に対する適応は、同じチルゼパチドを有効成分とする「ゼップバウンド」に付与されています。
海外では事情が異なります。米国やカナダでは、2型糖尿病は「Mounjaro」、体重管理は「Zepbound」と日本同様にブランドを分けています。一方、EU、英国、豪州では「Mounjaro」の名称で2型糖尿病と体重管理の両方に使える地域があります。同じ成分でも、国により服用量、効能効果などの許認可は異なるため、それぞれの住んでいる国の制度に従う必要があります。
日本では、糖尿病薬「マンジャロ」などを痩身目的で処方するオンライン自由診療が急拡大し、日本糖尿病学会が適応外使用への見解を公表。厚生労働省・PMDAも、適応外使用や広告表示に関する注意喚起を行っています(※)。
※日本糖尿病学会「GLP-1 受容体作動薬および GIP/GLP-1 受容体作動薬の適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」
医薬品・医療機器等安全性情報「GLP-1 受容体作動薬及び GIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について」
肥満症治療薬の世界市場は2030年に1000億ドルに上るとの予測もあります。薬が食を変える波は、すでに日本でも広がっているのかもしれません。
英国で「GLP-1受容体作動薬」はどう提供されているのか
英国の制度面を解説します。日本との違いを押さえないと、なぜ英国のスーパーが先に動いたのかを理解できません。
英国の規制当局MHRA(医薬品・医療製品規制庁)によれば、GLP-1医薬品は全て処方箋医薬品であり、医療専門職の処方なしには入手できません。MHRAは2023年11月、糖尿病薬Mounjaro(チルゼパチド)を体重管理用途で承認しました。対象はBMI30以上、またはBMI27~30で、高血圧などの併存疾患を持つ成人です。これは保険診療でも自費診療でも同じ基準です。低BMIの人が使用すべき医薬品ではありません。
※MHRA「MHRA authorises diabetes drug Mounjaro (tirzepatide) for weight management and weight loss」
NHS(国民保健サービス)での提供は厳しく絞られています。2025年3月に専門減量サービス限定で開始し、同年6月にGP(家庭かかりつけ医)による処方が解禁されましたが、12年かけた段階導入計画であり、最初の3年間の対象は約22万人にとどまります。
※NHS「Weight management injections」、
National Institute for Health and Care Excellence「NICE describes how weight loss drug tirzepatide will be rolled out」
ここが英国の特徴です。前述の通り利用者は約160万人いるのに対し、NHS枠は数十万人分しかありません。つまり利用者の大半は非保険チャネル、すなわちオンライン薬局経由の自費調剤で薬を買っているのです。
英国では医師だけでなく、独立処方権を持つ薬剤師など特定の医療職も処方できます。このためAsda Online Doctor、Boots Online Doctor、Superdrug Online Doctorのようなオンライン薬局・オンライン診療サービスでは、短いオンライン問診への回答、医師または処方資格者によるレビュー、薬の自宅配送または店舗受取という流れで、診療所に行かずに処方薬を入手できる場合があります。
当初、問題も起きました。健康的なBMIの人がオンラインフォームで虚偽申告し、減量注射薬を入手できた事例が報道されています。また、オンライン質問票や写真だけで減量薬が処方・発送されることへの懸念も示されてきました。
このため、薬局規制当局GPhC(General Pharmaceutical Council)は2025年2月、オンライン薬局向けガイダンスを更新し、減量薬を高リスク薬に位置付けました(※)。同ガイダンスでは、高リスク薬について、オンライン質問票だけに基づいて処方判断をしてはならず、処方者が患者情報を独立に検証することを求めています。減量薬については、体重・身長・BMIのいずれか、または複数を、ビデオ相談、対面、診療記録、かかりつけ医など他の医療提供者への照会によって確認する方法が示されています。電話のみでの確認は、減量薬の供給時には不適切とされています。
※General Pharmaceutical Council「Online pharmacies to strengthen safeguards to prevent unsafe supply of medicines」
なお、GPhCの所管はグレートブリテン、すなわちイングランド・スコットランド・ウェールズであり、北アイルランドの薬局規制はPharmaceutical Society of Northern Irelandが担っています。
小売業の視点で見逃せないのは、この民間チャネルの担い手です。英国の民間オンライン医療チャネルでは、薬の入口の段階から、スーパー大手のAsda、ドラッグストアのBoots、Superdrugといった大手小売りブランドが顧客接点を握っているのです。
Worauf zu achten ist
KI-Ausblick — Möglichkeiten, keine Fakten
英国のオンライン薬局は、GPhCの新しいガイダンスに従い、減量薬の処方プロセスを強化する。
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Offene Fragen
- 日本のGLP-1受容体作動薬の適応外使用問題は今後どう進展するか?
- 英国のオンライン薬局向けガイダンス更新の長期的な影響は何か?






