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大正大学の鈴木章太さんが「共助の架け橋プロジェクト」で優秀賞を受賞
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大正大学の鈴木章太さんが「共助の架け橋プロジェクト」で優秀賞を受賞

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大学生が将来の地域社会や街づくりに関する研究や実践活動の成果を発表する「学生によるミタカ・ミライ研究アワード2025」で、大正大学心理社会学部4年の鈴木章太さん(24)が優秀賞に輝いた。鈴木さんが提案したのは「共助の架け橋プロジェクト―やさしさがめぐるまちへ―」。公共交通機関などでの助け合いを、助けたい側の人がバッジをつけて名乗り出ることで促進させようという、新しい視点に基づく共助の仕組みだ。【大正大・古谷彩乃(キャンパる編集部)】

「助けを求めやすい」雰囲気に

きっかけは鈴木さん自身が3年生の時に受けた、ビジネス提案を行う大学の授業。担当教員から外部の人に技術的な協力を頼んだほうがいいとアドバイスを受けたことだった。大学内だけでは協力者を見つけるのに限界があり、行政との連携が必要だと考えた鈴木さんは、その足がかりとして外部のコンテストへの参加を決意。結果を残すことで行政からの信頼と協力を得ようとし、2025年12月に開催された三鷹ネットワーク大学主催の同アワードへの参加につながった。

鈴木さんが提案した「共助の架け橋プロジェクト」の核心は、「助ける側の人」の可視化にある。席を譲りたい人や体調不良の人への協力を申し出たい人が、ハートと双葉を組み合わせたデザインのバッジを着用し、助けを求めやすい雰囲気を作る。

現在は、周囲の手助けや配慮を必要とする人が携行する、赤地に白のハートと十字を組み合わせたデザインのヘルプマークが広く普及している。ただ、支援を必要とする側がヘルプマークの着用によって可視化される仕組みには、悪意ある人が弱者を見つける目印になるリスクがあった。

一方、「助ける側」が着けるこのバッジは、善意ある人が支援を名乗り出る仕組み。鈴木さんは「悪用する動機が生まれにくく、リスクを下げることにつながる」点をアピールした。

「壁」を打破したい

また同プロジェクトでは、バッジの意味や着用することの効果の説明、学習コンテンツの提供をウェブサイトで実施する仕組みも合わせて提案した。同サイトでは、手助けすることをためらわせるような心理状態も解説する。例えば他人に親切にした直後、「あれは本当に相手のためだったか、自分が良い人でいたかっただけでは」と自らの動機を疑い始めることなどだ。

心に潜むもやもやした思いに言葉を与えることで、「自分だけではない」という安心感が生まれ、気持ちを人に伝えやすくなる。早めに気づいてケアにつなげられる点も大きなメリットだ。

プロジェクト考案のきっかけは、鈴木さん自身の「電車内で助けるかどうか迷った」という経験だ。助けが必要そうに見える人がいるのに誰も動けない状態を経験し、この壁を崩したいと考えた。

杏林大学、成蹊大学、亜細亜大学、白百合女子大学、大正大学から合計8組が参加した同アワードで、鈴木さんの提案は最優秀賞1点を含む3点の優秀賞の一つに選ばれた。審査の場では、助ける側がバッジを着用するという発想の新しさや、企画をすべて一人で考え形にした点が高く評価された。

ただその一方で、審査の場では「性善説だよね」とか、「アイデアは良いが、実現までは困難を伴うと思う」との意見もあった。「正直、刺さりました」と鈴木さんは苦笑いする。

自然に行動できる社会が理想

しかし助ける側に行動を促すという発想は、鈴木さんの周囲で幅広い共感を得た。大学の先生が電車内で困っている人に目を向けるようになり、アルバイト先の同僚からは「すごく良い、応援する」と声をかけてもらった。鈴木さんは「周りに影響を及ぼせたことがうれしい」と笑顔を見せた。

目指す社会像を問うと、鈴木さんは「バッジなんてなくなってほしい」と即答した。バッジもウェブサイトも不要で、助け合いや声掛けが自然に起こる社会が理想だという。そのためには、支援を必要とする人、及び支援する人が「周囲に迷惑をかけてはいけない」と感じ、助けを求めること、助けることをためらう、日本社会の文化的な壁を乗り越える必要があると指摘する。「助ける意思が見えていれば、助けを求めやすくなる」

また、公共交通機関が長年続けるポスターや車内アナウンスによる既存の啓発活動についても、「今の人たちに沿った啓発が必要。効果を検証しながら見直していく必要がある」と語る。

表彰後も社会問題の解決に尽力したいという鈴木さんの思いは変わらない。「社会問題と聞くとスケールが大きく、難しいことのように感じるが、日常生活での出来事や経験から課題や解決の糸口が見つかる。日常で少し違う視点を持てれば、誰でも問題にアプローチできる」と話した。

This article was originally published by 毎日新聞.

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