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日本のセルフケア文化を変える:エスエス製薬・元島氏の挑戦
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日本のセルフケア文化を変える:エスエス製薬・元島氏の挑戦

L'essentiel

エスエス製薬の元島氏は、日本の「我慢文化」がセルフケアの普及を妨げていると指摘。ED治療薬シアリスの市販化を皮切りに、正しい情報発信と意識改革を通じてセルフケア市場を開拓し、10年後の医療崩壊を防ぐことを目指す。

Résumé généré par IA

Pourquoi c'est important

日本のセルフケア市場は「我慢文化」により欧米に比べて遅れている。メーカー側の難しいコミュニケーションも課題となっている。

Taille de police

なぜ、日本ではセルフケアが進まないのか。背景にあるのが、日本特有の「我慢文化」だという。

「日本ではセルフケアが全く進んでいません。欧米では、治療するのが当たり前なんです。でも日本は我慢文化で、寝なかったことが偉い、痛くても我慢しているのが偉いとされてきました。だから、本当にダメになった時にやっと病院に行く。それが一番の業界の課題だと思っています」(元島氏)

問題の根本的な責任は、メーカー側にもあると元島氏は指摘する。

「OTCを使っている人の8割近くが、(中身を)よく分からずに買っています。頭が痛い、熱も出てきた、明日仕事があるから休めない。(そんな時に)何か分からないけど市販薬を買うことが多い。なぜかというと、メーカー側がとにかく難しいコミュニケーションをしているからです。生活者が自分事にできていない。そこを業界全体で直さないといけません。私はその仕組みを変えていきたいです」

こうした問題意識の延長線上に、シアリスの市販化がある。

「EDは明確に体の疾患です。頭痛にもアレルギーにも『気合いが足りない』とは言わないのに、EDには気持ちの問題だという誤解がついてくる。まず正しい情報をシンプルに届けることが先決です」と元島氏は話す。

恥じらいやスティグマを、正確な知識と自己投資の意識に置き換えていく。シアリスの市販化は、セルフケア市場をこじ開けるための象徴的な第一手として位置付けている。元島氏は、マーケティングの手法についても明確なビジョンを持つ。

「やり方は他のブランドと変わりません。デジタル、ソーシャル、インフルエンサー、KOL(キーオピニオンリーダー)全部使います。要指導医薬品なので、マス広告は、今の段階では考えていません。ターゲティングできる媒体とPRに集中して、各媒体でそれぞれの文脈で語ってもらう形で世論を作っていきます。テレビ広告を打てば、世論が形成できるわけではありません」(元島氏)

シアリスのターゲットも「EDに悩む男性」に限定しない。

「その人に影響を与える人、パートナーや友人への発信も含めてプランニングを組んでいます。年齢層も中高年だけでなく若年層のデータも踏まえて、媒体とクリエイティブを分けて対応していきます」と話す。「悩む当事者」だけでなく「その周囲の意識」まで射程に入れたマーケティングは、シアリスを単なるED薬ではなく、セルフケア文化の入り口として位置付ける戦略の表れでもある。

「目指すものなきリーダーは去れ」 横やりを恐れないビジョンと変革

現在、エスエス製薬では組織変革に取り組んでいる。変革を推進するリーダーシップについて問うと、元島氏の言葉は核心に入った。

「目指すものがない人は、リーダーとして前に立つべきではないと思っています。1%伸ばすとか、ステイとか、そういう目標はリーダー的じゃない。5年先、10年先にどこへ向かうのかという視野がないと、組織の上に立ってはいけません。そして、そのビジョンは、誰かに言われて作るものではなくて、内側から来るものです」(元島氏)

「変革には必ず横やりが入ります。ブレない、恐れない。誰に何を言われようが変えない。これが基本です。ただし、本当に変えた方がいいと思ったら、すっと受け入れます」と確固たる信念もさることながら、時には柔軟さの必要性も説く。

「リーダーは個人として心も体力も削がれます。しかし、それをやれないなら立ってはいけないと思っています」(元島氏)

リーダーシップ論と表裏一体で語られたのが、社内カルチャーへの考えだ。元島氏は新年の誓願として「Happy workers are productive workers」という言葉を掲げている。

「仕事って楽しくあるべきで、やりたいが出てくる会社にしたいです。やらなきゃいけない、やらされているじゃなくて、あれがしたい、これがしたいが人間の動力だと思いますので」(元島氏)

キャリアプランニングや目標整理の制度は多くの会社にある。しかし「パーパスはあるし、制度はあるけれども、本当に見方が変わり、考えが変わり、行動が変わるところまで刺さるようなシステムってなかなかない」と元島氏は言う。

どういうトピックスで、いかなる仕組みで、どんな頻度で会話をするか。枠組みの設計と、そこに参加するマインドセットの共有化が大事だという。

10年後の医療崩壊を防ぐ 社会変革と共感を生むリーダーに

5年後、10年後を見据えたビジョンとして、元島氏が挙げるのは「Health in your hands」(あなたの健康を、あなたの手の中に)という考え方だ。

「高齢化、少子化、医療費の問題。セルフケアが根付かないと、日本は10年を待たずに崩壊的な状態になると思っています。それを防ぎたいんです。国民が自分で理解して、判断して、手にできる状態を作らないといけない」(元島氏)

ただし、一企業だけでそのような状況を生み出せるとは思っていない。「同じ信念を持った人と一緒にやることが大事です」と元島氏は言う。重点領域として取り組みたいのは、セクシュアルウェルビーイング(性の健康・幸福)とエイジングの2つだ。

「どちらも社会意識から変えないといけない領域ですが、やらなければならないからやります」と話す。市場の大きさよりも、社会構造を変える覚悟。それが、元島氏の「選択」と「集中」の基準になっている。

「あまり怖がらせるとみんな怖がってしまうから、理解の促進から始めます」(元島氏)

危機感と、それをあおらずに届けようとする意識が、元島氏の語り口全体に一貫して流れているように見えた。

サノフィグループからの独立、組織改革、新たな市場への挑戦。その根底には、日本のセルフケア文化を変えるという明確なビジョンがある。だからこそ、反対や困難があってもぶれない。

変化の激しい時代、制度や仕組みだけで組織は動かない。人を動かすのは、「どこへ向かうのか」という未来への共感だ。リーダーに求められるのは管理ではなく、目指すべき未来を示すこと。元島氏の言葉はその本質を問いかけている。

À surveiller

Perspective IA — des possibilités, pas des certitudes

  • セルフケア市場が拡大し、国民の健康意識が向上する。

    Probable · Moyen terme

  • 日本の医療システムが崩壊の危機を回避する。

    Possible · Long terme

Questions ouvertes

  • セルフケア文化の変革はどの程度進むか
  • シアリス市販化の具体的な成果は
  • 他社は追随するか

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This article was originally published by ITmedia.

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