L'essentiel
慶応大学の川原繁人教授は、AIパートナーとの関係を「会話のシミュレーション」と定義し、それが現実世界での支えになるか、あるいは溺れてしまうかの違いが重要だと指摘。AIの応答は「局所的」であり、人間関係の代替には限界があるとの見解を示した。
Résumé généré par IA
対話型の生成人工知能(AI)と恋愛したり、「結婚」したり――。そんな「AIパートナー」との関係を楽しみ、夢中になる人々がいる。
人間同士の関係やコミュニケーションと何が違うのか。AIとの交際が低年齢化した場合、どんな影響があるのか。AIについて一家言を持つ慶応大学言語文化研究所の川原繁人教授(言語学)に聞いた。【聞き手・千脇康平】
<主な内容>
・AIの応答は「局所的」
・子どもが使った場合の影響は
・AIは人間関係を代替できる?
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会話でなく、シミュレーション
――「配偶者」や「恋人」といったAIパートナーとチャットでやりとりを重ね、親密な関係を築く人々がいます。会話と言えるのでしょうか。
◆人間同士の対面の会話では、言葉だけでなく目配せやジェスチャーといった非言語コミュニケーションも重要な役割を担います。パートナーのような親密な関係においては、接触による触覚や嗅覚といった刺激も非常に大事です。ところがAIは、ご存じの通り体がありません。では、会話と言えるのかどうか。会話をどう定義するかにもよりますね。それで思い浮かんだのはゴルフです。
――スポーツのゴルフですか?
◆シミュレーターを用いた練習施設がありますが、あれに似ているかもしれません。AIとのやりとりは、現実の会話ではありません。体も表情もにおいもない。さらに、相手には心がありません。ただ、「会話のシミュレーションである」とは言えるでしょう。その上で本人が楽しいというのなら、シミュレーションだからといって(会話ではないと)全面的に否定するのは極端すぎるかなと思います。
――AI夫とのやりとりを経て、リアルな夫との離婚を決意するなど、実生活に大きな変化が起きた女性たちを取材しました。
◆AIによって救われた人もいるわけですよね。シミュレーションであるという理解を前提としての話ではありますが、AIとの会話が現実世界を生きるために支えになっているのか、あるいは溺れて現実世界で生きられなくなってしまうのか――。そこが大きな違いなのではないでしょうか。
AIの応答は「局所的」
――あくまでもAIはAIだと考えて使って…







