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「TOKYO BURST 犯罪都市」は日韓合作映画「ソウル」の惨敗から24年を経て、新しい娯楽映画の形を提示する
Culture
毎日新聞02.06.2026Culture8 dk okumaJapan

「TOKYO BURST 犯罪都市」は日韓合作映画「ソウル」の惨敗から24年を経て、新しい娯楽映画の形を提示する

L'essentiel

24年前の日韓合作映画「ソウル」の惨敗を踏まえ、新作「TOKYO BURST 犯罪都市」は、馬東石ジャンルをユニバースとして発展させ、日韓のキャストと練度の高い脚本で新しい娯楽映画の形を提示する。

Résumé généré par IA

Pourquoi c'est important

The article reflects on the 2002 Japan-South Korea co-production film "Seoul," which was a box office failure despite a strong cast and production team. It contrasts this with the current success of the "The Roundup" (犯罪都市) series, starring Ma Dong-seok, and the potential of the new film "TOKYO BURST 犯罪都市."

Taille de police

「TOKYO BURST 犯罪都市」を見ながら筆者の脳裏に浮かんだのは、24年前の日韓合作映画「ソウル」だ。日韓ワールドカップ開幕を約2カ月後に控えていた2002年3月22日、韓国で公開された(日本では2月9日公開)。

ダブル主演は、韓国で人気の絶頂期を迎えていた崔民秀(チェ・ミンス)と、TOKIOで活躍する一方、ドラマ「ムコ殿」などで俳優としての地位も確立しつつあった、長瀬智也である。

しかも長瀬にとって初の映画主演作。「踊る大捜査線」シリーズの立役者、亀山千広がプロデューサーとして名を連ね、フジテレビジョン、東宝、電通、ジャニーズ出版、ポニーキャニオン、デスティニー・エンジンネットワークで製作委員会を組んだ盤石の体制。

日韓のトップアイドルが並んだバディームービー、国際テロ組織との対決という魅力的な設定、コミカルに描かれる文化衝突と、失敗要因より成功要因のほうがはるかに多く見えた。

しかし、その年の韓国での興行成績は「公共の敵」や「おばあちゃんの家」の記録的ヒットとは比較にならないほど低調だった。敗因は、双方の理解不足と状況認識の甘さにあった。

相互理解不足で惨敗「ソウル」

韓国では1998年以降、日本文化開放が進められていたとはいえ、興行的成功を収めた日本映画は「Love Letter」(韓国公開は99年)くらい。「和風」商業映画は韓国映画ファンにとって異質な存在でしかなかった。

さらにCJエンターテインメントのシネコン事業開始から5年程度で興行界が混乱し、配給戦略が十分に成熟していなかったことも悪材料となった。

何より残念だったのは、ユーモアや感動のコードが、届くべきタイミングで観客に刺さらなかったことだろう。

テレビ放映を意識したマイルドなアクション演出や設定そのものは決して悪くなかったにもかかわらず、「単発スペシャルドラマとしてならともかく、映画としてはどうなのか」「監督の決定打が見えない」といった低い評価にとどまった。

24年後の現在、まさに隔世の感がある。内田英治が演出を手掛けた「TOKYO BURST 犯罪都市」は、「ソウル」の惨敗を昔話へと変え、日韓映画界の未来を切り開くだろう。

マ・ドンソクジャンルのスピンオフ

「犯罪都市」シリーズは“馬東石(マ・ドンソク)ジャンル”の代表作である。ジャンルに俳優の名を冠した特異なジャンルの成立は、こんな経緯をたどった。

BAエンターテインメントのプロデューサー張原碩は、馬東石の「隣人 The Neighbors」のヤクザ、アン・ヒョンモに始まり、「群盗」のチョンボ、そして「新感染 ファイナル・エクスプレス」のユン・サンファに至るまでのフィルモグラフィーを通じて、アクションヒーローとしての可能性に注目していた。

彼は2017年、04年と07年に実際に発生した凶悪事件をモチーフに、70億ウォンという韓国映画としては中規模以上の予算を投じ、馬東石が破天荒な刑事マ・ソクトを演じる「犯罪都市」を製作し、688万人を動員する記録的成功を収めた。

続いてマ・ソクトと大差ないキャラクターで主演した「無双の鉄拳」や「悪人伝」が堅実に損益分岐点を突破、“馬東石ジャンル”の始まりとなった。

誘拐された妻を救う水産業者であろうと、連続殺人鬼に狙われる暴力団のボスであろうと関係ない。ただ悪党を豪快に吹き飛ばす、その姿に熱狂する韓国映画ファンによって、新たなジャンルが生み出されたのである。

スターシステムの限界突破

第4作まで作られている「犯罪都市」シリーズで、馬東石のアクションスタイル自体はほとんど変わらない。

もし「TOKYO BURST 犯罪都市」がこのジャンルのリメークに過ぎなかったなら、筆者は監督や内容にほとんど興味を抱かなかっただろう。馬東石を代替できるフィジカルを持つ俳優をキャスティングできたかどうか、それだけが全てを決定していたはずだからだ。

しかし「TOKYO BURST 犯罪都市」は、単純なリメークではなく“ユニバース”のスピンオフともいうべき作品となっている。内田英治は、ある意味ではリメーク以上に困難な道を選択したのだ。

韓国の国際映画祭で内田英治といえば、「下衆の愛」(16年)、「獣道」「ミッドナイトスワン」(20年)、さらに「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」(23年)を上映し、そこに集った世界の映画人に、自身のみならず渋川清彦や伊藤沙莉といった俳優の存在まで強烈に印象付けてきた、“刺激の強い”監督である。

スピンオフとしての妙手も仕込んでいる。「バットマン」シリーズにおける「THE PENGUIN ザ・ペンギン」と同様に、「犯罪都市」シリーズの常連、朴智煥(パク・ジファン)が演じるチャン・イスを中心に据え、その周囲に日韓のビランを配置。彼らに立ち向かう日韓両国の刑事同士も対峙(たいじ)する、重層構造を導入した。

かくして1人のスターに過剰に依存するスターシステムの限界を突破し、新しい娯楽映画を誕生させたのである。

荒唐無稽アクションと高練度の脚本

内田英治の才能を存分に発揮できる条件もある。「犯罪都市」シリーズに共通する「物語のリアリティーよりも、アクションが生み出す快感を優先する」という基本方針だ。

スーパーヒーロー映画だから、主演俳優がどれほど荒唐無稽(むけい)なアクションを見せようとも、その方針を堅持していれば成立する。「そんなことあり得ない」といったヤボな批判はほとんど意味を持たない。

ただ、そうした“犯罪都市ユニバース”を背景にしたとしても、ジャンル映画としての完成度が低ければ、単なる幼稚な猿まねで終わってしまう。その弊に落ちなかったのは、漫画原作や海外原作をウェルメードな日本映画へと大胆に再構築してきた俳優出身の脚本家三嶋龍朗と、「物語の錬金術師」内田英治の協働によって生み出された、練度の高い脚本のおかげだ。

合作の物足りなさとは無縁

加えて、優れたキャスティングとキャラクター構築。まず水上恒司が演じる、まるでジャッキー・チェンと「SLAM DUNK」の桜木花道の間を行き来するような、“歌舞伎町のローカルヒーロー”相葉四郎。相葉のバディー、チェ・シウには、自身のルーツとも重なる荒々しい光州なまりを操り、アイドル的な外見とは裏腹に言葉より拳が先に出る迫力を見せるユンホ。ヒーロー同士のケミストリーである。

その対極に、驚異的な変貌を遂げた福士蒼汰と、20年間韓国ミュージカル界の頂点に立ち続けたスターであることを忘れさせるほど残虐な悪役に化した厳基俊(オム・ギジュン)。2人の間にビランケミストリーが発生する。

この対立軸の間を自在に行き来し、笑いと緊張感を同時に生み出す潤滑油となるのが、スピンオフの結節点であるチャン・イスと、岩城良平(ピエール瀧)のコンビである。

この6人がまるで原子炉の核分裂のような速度と密度で相互作用し、日本映画ではめったに見られないダイナミックなアクションを連打しながら、先を読ませず展開する。その勢いにのまれているうちに、物語は一気にクライマックスへとなだれ込む。どちらが主導したかにかかわらず、合作には物足りなさが残ってしまいがちだが、その心配は無用だ。

最高のストーリーテラー監督が、日韓両国のキャストを率いて生んだ最高の成果を楽しみながら、日本映画の進化に感動してみたいと思わないだろうか。断言しよう。映画を見終わった後は、最高の気分になっているはずだ。(洪相鉉)

Questions ouvertes

  • What specific cultural misunderstandings led to the failure of "Seoul"?
  • How will "TOKYO BURST 犯罪都市" be received by audiences in both Japan and South Korea?
  • What are the long-term implications for Japan-South Korea film collaborations?
  • Will the "Ma Dong-seok genre" continue to evolve and expand?

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This article was originally published by 毎日新聞.

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