Auf einen Blick
アイヌ民族の集団に固有の権利(先住権)を求めた訴訟で、札幌高裁は原告の控訴を棄却した。文化享有権は一部認めたものの、経済活動としての漁業権は認めず、原告側は落胆を表明。国際条約の解釈も退けられ、司法によるアイヌ民族の権利保障への期待は裏切られた形となった。
KI-generierte Zusammenfassung
Warum es wichtig ist
アイヌ民族は明治政府の同化政策により慣習や資源を奪われ、法律でサケ漁を禁じられた歴史を持つ。近年、先住民族の権利に関する国際的な認識が高まっている。
約2年かけた裁判審理で導き出された結論は「一審判決の踏襲」だった――。アイヌ民族の集団に固有の権利(先住権)を認めるよう求めた訴訟で、札幌高裁は原告の控訴を棄却。原告からは落胆の声が漏れた。
「率直に残念。私たちは、ただ単にアイヌとして自由にサケを捕りたいと求めたが、難しい問題だということをつくづく実感した」
判決後の会見。原告で北海道浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」の長根弘喜会長(41)は、静かに語った。
判決では、アイヌ民族の「集団の権利」として、憲法13条に基づく文化享有権が「認められる」とした一方で、経済活動としての漁業権は認めなかった。
弁護団長の市川守弘弁護士は「経済活動は文化であり、文化は経済活動だ。そうでないとすれば、文化は単なる博物館の展示物と同じということになる」と批判した。
原告の先祖たちは、川で捕ったサケを食料や交易品とし、生活してきた。だが、明治政府の同化政策により慣習や言葉、そして自然資源を奪われた。その後にできた法律で、和人もアイヌ民族も「一律に」川でのサケ漁を禁じられた。
長根さんは「私たちアイヌは、ルールの下でしかサケを捕れない。各国で先住権が認められている現状から、日本も先住民族としてのアイヌのことを考えてほしい」と訴えた。
日本も賛成した2007年の先住民族の権利に関する国連宣言は、先住民族は「伝統的な占有もしくは使用に基づき保有する土地、領域及び資源を所有し、使用し、開発する権利を有する」と明記。さらに「国はこれらに対して法的な承認及び保護を与えなければならない」と記す。
原告側は権利宣言のほか、自由権規約や社会権規約といった国際条約でも漁業権が保障されていると訴えたが、控訴審判決は一蹴。さらに「法的拘束力がない」とされている規約の解釈も引用したが、判決では言及すらされなかった。こうした解釈は、国際司法裁判所などで「相応の重みが認められる」とされている。
弁護団の長岡麻寿恵弁護士は「国はアイヌ民族の権利について(国連の)自由権規約委員会などから繰り返し勧告を受けているが、無視し続けている。司法府も国であり、裁判所は国際人権規約を守ってアイヌ民族の権利を保障する義務を負っていると自覚すべきだ」と指摘した。
上村英明・恵泉女学園大学名誉教授(国際人権法)の話
一審と比べあからさまに後退した判決だ。司法に期待される「道筋をつける」役割が果たされず、全く新しい道をつくらなかった判決だと言える。
高裁は、自由権規約や先住民族の権利に関する国連宣言を明示した上で、こうした条約上の権利が保障されると認めることはできないと、明確に述べた。
和人の司法システムでアイヌの権利を扱う時、国内法だけでなく、国際法などを踏ままえなければ公正な判断ができない。しかし一審に続き、今回の判決も歴史的背景を踏まえず、文化享有権と財産権という和人の概念でしか語られておらず、進歩がない。元々アイヌ民族が暮らし、伝統的にサケを捕っていた川についての権利を、和人のルールで否定されるという理不尽が可視化された。
Offene Fragen
- 日本政府は今後、アイヌ民族の権利保障にどう対応するのか?
- 国際法と国内法の調和はどのように図られるのか?






