L'essentiel
重度障害者の介助に不可欠なヘルパーが「8がけ社会」で不足し、命に直結する問題が深刻化。茨城県つくば市の柏原絵美さんは、母のALS介助で直面した人手不足から自ら事業所を設立したが、構造的な問題に直面し、将来への懸念を表明している。
Résumé généré par IA
Pourquoi c'est important
日本では生産年齢人口が減少する「8がけ社会」が到来し、重度障害者の介助に不可欠なヘルパーの構造的な人手不足が深刻化している。
長時間の介助を受けて生活をする重度障害者にとって、ヘルパーの不足は命に直結する。だが、「働き手」とされる生産年齢人口(15~64歳人口)が今の8割になる「8がけ社会」では、業界をまたいだ人手の奪い合いが強まり、その波は、福祉の分野にも及ばざるを得ない。すでに厳しい現実に直面するケアの現場をどう守ればいいのか。
構造的な人手不足「生きることを諦める社会になって欲しくない」
「体勢、きつくない?」
茨城県つくば市の自宅兼訪問介護事業所で、柏原絵美さん(38)は母の眞弓さん(73)に声をかけた。寝たきりで発話ができない眞弓さんの気持ちを、目の動きや雰囲気で読み取る。
眞弓さんが全身の筋肉が衰えていく難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された時、柏原さんは大学生だった。その3年後、24時間介助が必要となった。
当時、近くの事業所から派遣されるヘルパーだけでは埋まらない時間は、柏原さんや父、姉が介助に入った。
しだいに疲弊する家族。日替わりで来るヘルパーとの信頼関係もうまく築けず、いら立ちを抱え込むことも増えた。
ヘルパーの派遣を待つのではなく、自分たちで母を支える「チーム」を作ろう。24時間介助となって2年後の2013年7月、介護事業所を父と立ち上げた。そこでも直面したのが人手不足だった。求人募集をしてもヘルパーは集まらない。知り合いのつてを頼り、何とかかき集めた。
ALS患者らが利用する「重度訪問介護」制度は、障害者が施設や家族介護から自立し、自宅や地域で暮らすことを支援するため、ヘルパー派遣を公的に支えるもので、06年に始まった。制度の創設だけでなく、その後の改善も含めて、当事者や支援者が長い時間、声を上げ続けて実現させた。
制度を活用し、柏原さんの事業所では現在、約40人のヘルパーが働く。ALS患者をはじめ30人以上の利用者を抱えるが、人手不足の懸念は尽きない。
常に気が抜けない介助の仕事は「大変そうだ」というイメージが強い。報酬は国によって決められ、賃金は他の業種に比べて低い上に、事業者の努力では上げづらい。必然的に、業界内で少ない担い手の奪い合いが起きる。
「8がけ社会」を待つまでもなく、この10年間ずっと人手不足だったと振り返る柏原さんは「業界として構造的な問題がある」と指摘する。あらゆる業界で、さらに人手が足りなくなれば、障害者介助の現場では何が起きるのか。柏原さんは、じっと考え込んだ後につぶやいた。
「『ヘルパーがいない』と事業所をたらい回しにされた末に、自宅で暮らすことを諦める人、さらには呼吸器をつけること、つまりは生きることを諦める人が増えるのではないか。それを見て見ぬふりをする社会になってほしくない」
遠ざけるのではなく向き合うことで生まれるパワー
À surveiller
Perspective IA — des possibilités, pas des certitudes
ヘルパー不足により、自宅での生活や呼吸器装着を諦める重度障害者が増加する可能性がある。
Probable · En quelques mois
Questions ouvertes
- ヘルパーの賃金改善はどのように実現されるのか?
- 介助を諦める人が増える事態をどう防ぐのか?






