L'essentiel
地政学は、地理的条件と国家の力や外交姿勢を結びつけて分析する学問。戦国時代から現代まで、地理は国家の戦略に不可欠な要素であり、特にホルムズ海峡封鎖による中東危機は、地理が国際エネルギー相場やパワーバランスに与える影響を浮き彫りにした。現代地政学は、企業や国際機関にも応用される分析ツールとして再評価されている。
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Pourquoi c'est important
地政学は地理的条件と国家の力や外交姿勢を結びつけて分析する学問。戦国時代から現代まで、地理は国家戦略に不可欠な要素である。
時は15~16世紀、戦国時代の日本。あなたは一国の主だと想像してほしい。食うか食われるかの時代、領土をどのように守り、他国を侵略して領地をどう増やせるだろうか。
兵力や技術力も重要だが、まず「地理の理解」が基本中の基本だ。自国に自然の要塞(ようさい)となる山や大きな河川はあるか。海に面していれば、海戦に持ち込む選択肢もある。交易路となる交通の要衝を抱えているかどうかも死活問題だ。こうした地理的条件によって、あなたの打つ手は大きく左右される。
時代が下った2026年現在。米国の関与によって始まった「中東危機」は、3月にイランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことにより、形勢が大きく変わった。世界で消費される原油の2~3割がホルムズ海峡を通って輸出されるため、同海峡を押さえる国は国際エネルギー相場を操れる。地理的条件がパワーバランスに直接影響する事例である。日本の原油輸入の約9割はこの海峡を経由する。対岸の火事ではない。
このように「地理」と「国家の顕在・潜在力や外交姿勢」を結び付けて考えるのが「地政学」だ。もちろん、急に出てきた学問ではない。実は、戦前の日本などで植民地政策の根拠として利用された歴史があることから、戦後はやや鳴りを潜めていた。現代の地政学はその反省を経て、国家のみならず企業や国際機関にも使われる“分析ツール”へと生まれ変わった。
「世界は平たんで不変」という共通認識を砕いた「2つの誤算」
では、なぜ今になって、地政学なのか?
これは、2010年代後半から色濃くなった「アンチ・グローバリゼーション」の波と不可分だと考える。「グローバリゼーション」はグローバルといいつつも、実態は非常に米国中心な波だった。ソ連崩壊による冷戦の終焉(しゅうえん)以降、圧倒的な力を誇る米国がリーダーとなり、防衛・経済・文化の全てで世界をけん引した。防衛面では欧州でもアジアでも米国がビッグブラザーとして大きな役割を果たし、経済面では自由貿易と海外直接投資を推し進め、積極的に民主主義やハリウッド文化を輸出した。
日本もこの恩恵を受け、輸出を伸ばしながら、防衛費に税金を大きく使うことなく発展できた。大戦に懲りた世界は平たんになり、民主主義と資本主義が唯一の解として君臨するかのように思われたのが、つい30年ほど前である。
そんな世界にとって、地理は旅行者にこそ大切だが、国家の姿勢を決定するには周辺的なものにすぎなかった。国家によるあからさまな他国侵略は歴史の教科書で学ぶものになり、今ある国境は不変に思われた。
しかし、ここに2つの誤算が生まれる。
Questions ouvertes
- 2つの誤算とは何か?
- アンチ・グローバリゼーションの波は今後どうなるか?




