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駄菓子メーカー・オリオンの広報マン高岡五郎さん、50年の軌跡
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毎日新聞6/21/2026Business8 min readJapan

駄菓子メーカー・オリオンの広報マン高岡五郎さん、50年の軌跡

Quick Look

大阪の駄菓子メーカー「オリオン」で50年勤める企画本部長の高岡五郎さん(71)の半生を追う。ヒット商品「ミニコーラ」を巡る争いや、パロディー商品開発、コラボ商品展開など、そのユニークなキャリアと駄菓子への情熱を紹介。

AI-generated summary

Why It Matters

オリオンは1948年創業の駄菓子メーカーで、「ココアシガレット」や「梅ミンツ」などを製造・販売している。高岡五郎さんは1977年に入社し、企画本部長として長年活躍している。

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「ココアシガレット」「梅ミンツ」「ミニコーラ」など、おなじみの駄菓子を製造・販売している「オリオン」(大阪市淀川区)には、名物広報マンがいる。企画本部長の高岡五郎さん(71)だ。ヒットあり、トラブルありの会社人生も、今年で50年目。「浪速の駄菓子王」と呼ばれる高岡さんとオリオンの歴史をたどった。

「駄菓子の国」の連載が大阪本社版の夕刊で始まったのは2021年1月。初回に登場したのがオリオンだ。最初に電話した時の衝撃が忘れられない。「1時間程度、取材時間を頂戴できれば……」とお願いすると、高岡さんは「1時間で足るか? 僕の話は長いで~」としびれる返答。会う前から、しっかりハートをつかまれた。

「ミニコーラ」に「本家」は…

高岡さんは1977年に入社。コンクリートに詳しい工学博士だった父親の背中を見て育ち、ものづくりの道を選んだ。当時、会社は「ココアシガレット」や「梅ミンツ」の売り上げが好調で、ノッていたころ。高岡さんは開発担当として「いちごシガレット」などを手がけた。

入社から間もなく、会社に思わぬ荒波が押し寄せる。78年発売の「ミニコーラ」は、子どもの小遣いではなかなか買えなかった缶コーラに目を付け、円柱形の容器でプルトップを引っ張って開ける構造にした。実家がしょうゆのキャップを製造していた同期の発案だった。問屋に「こんな乾電池みたいなん売れるんか」と言われつつも、爆発的なヒットになった。

しかし翌年、「本家」のアメリカ本社から不正競争防止法に基づく警告の書面が届いた。社内はびっくり仰天。そんなさなか、担当していた上司が亡くなり、20代半ばだった高岡さんが後を任された。

「ミニコーラはお菓子で、あちらは飲料。不正競争にはあたらないというのがこちらの主張でした」。お菓子の分類で商標と意匠登録を出願。10年間の争いの末、東京高裁でオリオン側の言い分を認める判決が出た。グローバル企業に大阪の駄菓子メーカーが勝つという「誰も思てなかった」(高岡さん)展開に、会社はさらに勢いづき、「大人のまねをしたい」という子どもの思いに、次々と応えていく。

パロディー商品を果敢に開発

高岡さんが開発した「食べルンですHi」は、90年発売の人気商品。レンズ付きフィルムを模したパッケージに入ったラムネで、「シャッター」を押すと「レンズ」の穴からラムネが取り出せる仕組みになっている。何と「本家」が販促用に使ってくれた。

かつて販売していた携帯電話を模したパッケージのラムネには「DoCoMo」ならぬ「CoDoMo」の文字が。「液晶画面」が回転するタイプまであった。あまり売れなかったり、「おしかり」を受けて販売を見合わせたりしたパロディー商品も少なくなかったが、果敢に開発を続けた。

ピンチから生まれた人気商品もある。腕時計を模した「Gum-SHOCK(ガムショック)」は、腕に巻ける容器がけがの恐れがあるとして、販売を見合わせることに。大量に余ったガムの使い道として開発したのが、「おくすりやさんシリーズ」だった。お薬を模したパッケージで、「正論丸」「イチコロリ」など、クスリと笑えるネーミングが受けた。

ある日、大手企業の幹部から「おくすりやさんシリーズ」の中身を「チョコレートで作って」と提案を受けた。早速「おくすりやさんチョコ」を作ると、バレンタイン用に夜の街で引っ張りだこになった。

ラジオに投稿で培ったセンス

高岡さんは森永ヒ素ミルク中毒事件(55年)の被害者でもある。子どものころは、定期的な健康診断を欠かせなかった。体が弱かったぶん、磨いたのが笑いのセンス。「笑福亭仁鶴さんのラジオ番組の『頭のマッサージ』コーナーによく投稿してました」。そうして「オモロイ」感性を培ったんですね。

オリオンのブランド力と高岡さんの手腕で、これまでにアイス、お酒、プロテイン、入浴剤、アパレルなど、さまざまなコラボ商品が実現した。一般社団法人「DAGASHIで世界を笑顔にする会」の理事を務め、3月12日の「だがしの日」を中心に地震や豪雨の被災地などでイベントを実施してきた。大阪の駄菓子メーカーとともにアイドルグループ「da―gashi☆」を応援し、グループは昨年の大阪・関西万博にも出演した。

さらに、最近では「TikTok LIVE(ティックトックライブ)」などの動画プラットフォームの企画を通じ、首都圏の駅に「オリオン」の広告を掲示することもできた。新しいモノにも向き合う姿勢、見習いたい!

先日、酒席をご一緒する機会があった。「出会った人を大切にしたら、次、また良い出会いを連れてきてくれるんです」。ネオンに照らされた高岡さんの横顔は、とても格好良かった。好奇心と行動力、そして、縁を大切にするあたたかさ。「オモロイ」に生きる、浪速の駄菓子王の神髄をみた。

華麗に変化「ココアシガレット」

「オリオン」は1948年に創業。51年にココアの甘みにミントの香りがふわりと抜ける「ココアシガレット」を発売した。たばこの「ピース」に似せた紺色のパッケージで、大人のまねをしたい子どもたちの心をつかんだ。ちなみに73年に発売の「梅ミンツ」のケースは、高級ライターを模している。

今は抹茶やブルーベリー、ミントが利いた「マイコス」などの関連商品がある。近年は「あいみょん」「新しい学校のリーダーズ」といったアーティストによるココアシガレットの「喫煙」画像が話題を集めている。たばこを吸うまね、したくなりますね。

喫煙による健康への影響を考慮し、2011年からパッケージには「あなたの禁煙を応援します」と記載。禁煙応援を前面に押し出した。自動販売機風のペーパークラフトの組み立てキットがついた「禁煙応援シガレット」もある。「折れへん!?ココシガタブレット」は、棒状ではなく粒状! パウチタイプのパッケージ裏面には、高岡さんがモデルの「リスゴロー」のイラストと「浪速の駄菓子王のゴロゴロ語録」が書かれている。

オリオンの企業理念は「見てたのしい、もらってうれしい、食べておいしい、またほしい」の四つのC(しい)。「ココアシガレットには、創業時の人たちも驚きの変化をさせました。次世代の企画者も引き継いでほしいですね」と高岡さん。しなやかに時代を生き抜く駄菓子メーカーの「魂」という五つ目のCを、次世代に伝えていく。【水津聡子】

Open Questions

  • 高岡さんの今後のキャリアプランは?
  • オリオンの次世代企画者は誰か?

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This article was originally published by 毎日新聞.

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