Quick Look
愛媛県特産のじゃこ天製造時に出る魚の残りかすを肥料化し、その肥料で育てた農作物を自社製品に活用する地域資源循環システムを安岡蒲鉾店が構築。廃棄物削減とリサイクルに取り組む事業所として県から認定された。
AI-generated summary
Why It Matters
安岡蒲鉾店は、じゃこ天製造時に出る魚の残りかすを肥料化し、その肥料で育てた農作物を自社製品に活用する地域資源循環システムを構築した。この取り組みにより、廃棄物削減とリサイクルに貢献している。
愛媛県特産の「じゃこ天」。製造時に出る魚の頭、骨などの残りかすを捨てずに肥料に。その肥料で育てた農作物を自社の練り製品に活用する――。そんな「地域資源循環システム」を宇和島市三間町にある安岡蒲鉾(かまぼこ)店が構築した。積極的に廃棄物を減らし、再活用とリサイクルに取り組む事業所を県が認定する「優良循環型事業所」に認定された同社。これまでの認定64件のうち、じゃこ天・かまぼこ分野では初となった。
じゃこ天は水揚げされた新鮮な魚をすり身にして揚げたもの。かまぼこ、ちくわなどの練り製品用と合わせ、同社はホタルジャコ、エソ、アジ、カマスなどの魚を1日約1・2トン加工する。じゃこ天の「ジャリジャリとした独特の風味」を生み出すため、身とともに骨や皮も練り込むが、それでも加工時に残りかすは出る。1日約300~500キロを産業廃棄物として回収してもらっている。その一部は県内業者が肥料化し、地元農協が流通させてきた。
安岡弘和取締役によると、循環システムへの転機が生まれたのは2019年の新工場完成時。新設した見学コースを訪れた小学生から「魚の残った部分はどうするの」とよく聞かれ、「肥料にしています」と答えるうち、その肥料で育てた野菜を再びじゃこ天などに練り込むことを考えた。「世界が目指すSDGs(持続可能な開発目標)に近づくのでは」と思ったという。
そこで地元の協力農家と連携し、残りかすを使った肥料で野菜を育ててもらい「玉ねぎ天」や「やさい天」「じゃこカツ」などを製品化することができた。協力農家の栽培品目も広がり、近年は大豆やバジルを練り込んだかまぼこなどの期間限定の品も誕生した。
「食品ロスを減らし、地域経済の活性化にもつながる。農業、観光、教育。いろいろな文脈でじゃこ天に触れることができる。相乗効果を大切にしながら地域の資源を残していきたい」。安岡さんはそう話し、見学に訪れる小学生らに「じゃこ天に始まるSDGs」を説いている。【松倉展人】
Open Questions
- 循環システムによる具体的な経済効果は?
- 今後の事業拡大の計画は?






