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シグマ会津工場:職人技と革新で「メイド・イン会津」のブランド価値を高める
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毎日新聞22h agoBusiness6 min readJapan

シグマ会津工場:職人技と革新で「メイド・イン会津」のブランド価値を高める

Quick Look

カメラメーカー「シグマ」の会津工場は、光学ガラスの研磨から製品組み立てまで一貫生産し、「メイド・イン会津」のブランドを確立。熟練職人の技と最新技術を融合させ、品質を最優先にした製品開発で世界市場に挑戦し続けている。

AI-generated summary

Why It Matters

シグマは1961年創業のカメラメーカーで、福島県磐梯町の会津工場で光学ガラスの研磨から製品組み立てまで一貫生産を行っている。山木社長は、偶然の縁で磐梯町に進出した経緯を語り、地域に根差したものづくりへのこだわりを示している。

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レンズに使う直径約20ミリの光学ガラスを一つつまむと、「ダスパー」と呼ばれる専用の紙で磨き上げる。研磨剤の残りや微細なちりを拭き取り、次の工程に受け渡すこの作業も、地味なように見えて欠かせない過程の一つだ。帽子とマスクに隠れて細かな表情は見えないが、一切の汚れも逃さないと言いたげな従業員の鋭い目つきと、無駄がなく丁寧な手つきは見ていて気持ちが良い。

カメラ用交換レンズやデジタルカメラなどのメーカー「シグマ」(川崎市)は福島県磐梯町に「会津工場」がある。1961年創業の同社が工場を完成させたのは73年。以来、光学ガラスの研磨から製品の組み立て、金型の製造など、この工場で一貫生産している。

1日に4万枚の光学ガラスを加工するといい、石井正俊・品質保証部長(51)は「機械化を進めてはいますが、最後の微調整は職人頼み」と話す。例えば機械では制御できない1000分の1ミリ単位の微妙な「削り」も、熟練の目と手が頼りだ。匠(たくみ)の技が生み出す確かな品質は「Made in Aizu(メード・イン会津)」と呼ばれるアイデンティティーを確立している。

同社が磐梯町に進出したのは、山木和人社長(58)によると「偶然」だった。東京都世田谷区の小さな町工場から出発した創業者で父の道広さん(故人)が、会津出身の従業員に紹介されたのがきっかけだという。それまでは他社製品の部品の組み立てに従事していたが、自社の工場を持つことで、自由な発想で加工から手がけ、新しいことにチャレンジする足がかりができた。「メード・イン会津」の第一歩だった。

工場で勤務する従業員は約1800人で、ほとんどが地元出身者だ。山木社長は「体系的にいろいろな経験を積んで、5年ほどたてば、それなりに分かってきて一人前になります」と話す。

会津工場ができて50年以上。「光学ガラスを磨く技術は、使う水の温度や水溶液の性質、研磨機器の回転速度など、さまざまな要因が総合的に複雑に絡み合ってできるものなので、年月をかけて積み上げてきたノウハウがものを言うんです」。経験による「現場の強さ」で高品質な製品を作れるようになったという。

一つのレンズを構成する200~300のパーツを精緻に加工して調整する技は「すり合わせ技術」と呼ばれ、自動車産業や精密機器など日本企業が得意としてきた分野だ。中でも会津の人の、一つのことを極める頑固さや勤勉さも精密なものづくりに向いているというのが、山木社長の見立てだ。

さらに同社では、設計を担う本社と、製品化に向け試行錯誤する工場との間に上下関係がなく、対等に言い合えることで「攻めた設計ができるという面はある」と胸を張る。

採算より質 最新カメラの狙い

2025年2月に横浜市で開かれた、最新鋭のデジタルカメラなどを紹介する世界最大級の展示会「CP+(シーピープラス)2025」。シグマは最新のフルサイズミラーレスカメラ「Sigma BF」を発表した。アルミの地金から削り出した継ぎ目のないボディーに、必要最小限のボタン類。シンプルで斬新なデザインで話題をさらった。同年の日本デザイン協会主催のグッドデザイン金賞・経済産業大臣賞も受賞した。

山木社長は「写真を撮る。その原点に返ろうと思った」と、開発の狙いを語る。アイデアを形にするため、現場では妥協を許さない実験を繰り返したという。耐久テストでは、導入した最新の工作機械が何度か故障する羽目に。これには山木社長も冷や汗をかいたというが、採算より質を重視した結果だった。

「ワインならボルドーとかブルゴーニュとか。ウイスキーならケンタッキーのように、機能価値を追い求めながら、会津というローカルを極めることでブランド価値を高められれば」。数年後には会津工場に新棟も建てる予定だという。デジタルカメラ(レンズ交換式・コンパクト)の世界市場は、日本メーカーの独壇場だ。「日本のものづくりの最後のとりでとも言われている分野。その業界にあって、会津でのものづくりを極めたい」。JAPAN、AIZU――。その名を世界にとどろかせる挑戦は続く。【柿沼秀行】

What to Watch

AI outlook — possibilities, not facts

  • 会津工場に新棟が建設され、生産能力が拡大する。

    Likely · Within years

Open Questions

  • 新棟建設の具体的な時期と規模は?
  • AI技術の導入は進んでいるか?
  • グローバル市場での具体的な販売戦略は?

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This article was originally published by 毎日新聞.

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