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日銀の植田和男総裁は、中東情勢の不透明感があっても追加利上げの可能性を示唆した。物価上昇リスクが経済下振れリスクを上回ると判断されれば、利上げを議論する必要があると発言。市場の信認確保の重要性を強調した。
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日銀の植田和男総裁は3日、東京都内で講演し、中東情勢の不透明な状況が続いたとしても追加利上げに踏み切る可能性を示した。経済が下振れするリスクに比べて物価上昇(インフレ)のリスクが高まると判断されれば、「利上げの是非についてしっかりと議論する必要がある」と発言した。
日銀は15、16日に金融政策決定会合を開く。現行の政策金利は2025年12月に0・75%程度に引き上げられた。追加利上げされれば、1・0%程度に上がる。現行の0・75%程度と同様、1995年9月以来約30年ぶりの高水準となる。
植田氏は追加利上げを見送った4月の決定会合後の記者会見で、インフレと景気下振れの両方のリスクを見極めると説明していたが、一歩踏み込んだ。
植田氏は講演で「物価上昇は一時的なものにとどまらず、基調的な物価上昇率が上振れしていくリスクも意識せざるを得ない状況だ」と言及。「経済の下振れリスクを意識しつつも、物価上昇率が大きく上振れしていくリスクが顕在化し、その後の経済に悪影響を及ぼすことを、より警戒する必要がある」と強調した。
日銀の利上げが後手に回ってインフレが進み、「あとでかえって大幅な利上げを余儀なくされるような状況になれば、景気のみならず、金融市場や金融システムに大きな負荷をかける恐れもある」と指摘。日銀が利上げでインフレに対応しないと市場が判断すれば、長期金利が上昇する懸念も示した。「インフレが適切にコントロールされていくという市場の信認を確保することが重要だ」と述べた。
東短リサーチの加藤出氏は「6月に利上げする方向性を示唆した。景気下振れリスクはあるとしても、物価の安定を目指すという内容だ」と分析した。【高田奈実、古屋敷尚子】







