
企業におけるAI投資のROI最大化に向けたコスト管理ソリューションの台頭
AIモデルのトークン消費量急増に伴い、セールスフォース、日本IBM、マネーフォワードが相次いでAI利用コストの可視化・管理ソリューションを発表。企業はAIエージェント導入に向けた不透明な課金形態と予算管理の課題に直面している。
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AIモデルのトークン消費量は今後4年で24倍に急増すると予測されている。企業はAI投資の成果を適切に説明し、ROIを最大化するための管理体制を求めている。
今回の機能強化は、上記の課題に対応するためのソリューションを提供するもので、その全体の内容は発表資料をご覧いただくとして、ここではAI利用コストの話にフォーカスする。
セールスフォース・ジャパンの三戸篤氏(専務執行役員 製品事業統括本部 事業統括本部長)は、新たな課題となっているAI利用コストのマネジメントについて、「当社の調査によると、AIモデルのトークン消費量は今後4年で24倍に急増すると見込まれている。より良いAIモデルをデプロイする以上に、効果的なAIアーキテクチャの構築がAI時代の勝ち筋になってきている」との見方を示した。
その上で、AIとAPIが稼働する利用環境の中でそれらのトラフィックとトークン消費を管理してコストの可視化とガバナンスを提供する「MuleSoft Omni Gateway」と呼ぶソリューションを新たに提供することを明らかにした。
AI利用コストの可視化については、他のITベンダーも相次いで新ソリューションを打ち出している。日本IBMは2026年8月18日、AIトークンの利用コストを含むAI関連支出と、測定可能なビジネス成果を結び付けて可視化できる「IBM Apptio AI Value & ROI」を9月末までに提供開始すると発表した。同社によると、この新ソリューションの投入は「企業のAIへの投資拡大に対し、その成果を適切に説明し、評価を強化するニーズに応じたもの」としている。
また、マネーフォワードも2026年8月17日、法人のAI利用コストを一元管理するソリューションの提供を開始すると発表した。新ソリューションは、法人のAI利用コストをダッシュボードで可視化する「マネーフォワード クラウドAIトークン管理」だ。さらに「マネーフォワード ビジネスカード」をAIツールの決済専用カードとして活用し、AI関連支出を集約・一元化できる仕組みも整備する。
マネーフォワード クラウドAIトークン管理は、API連携などでデータを取り込み、「ChatGPT」や「Claude」などのAIモデルについてユーザーごとに利用量を確認できる。また、期間を比較することでAI利用コスト増加の要因を特定しやすくなる。
ITベンダー各社からAI利用コストを可視化してマネジメントできるようにするソリューションが提供されつつある。企業にとってはあらかじめAI利用コストをある程度想定できなければ、投資の意思決定が難しくなる。投資が決まらないと予算が立てられず、ひいてはROIの見通しもつかないというマイナスのスパイラルに陥ってしまう懸念がある。この課題は、とりわけこれから活用が本格化するAIエージェントにおいて深刻になる可能性がある。
セールスフォース・ジャパンの三戸氏は、AIエージェントの課金形態について「まだ不透明な状況なので、コストを予測するのは現時点で難しい。従量課金と定額課金がしばらく入り交じって、ROIにどう結び付けるかでバランスを模索していく形になるだろう」と述べた。
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