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BackAI時代のエンタープライズIT:Rimini Street CEOが語る「クリーンコア」の落とし穴と「ヘッドレス」への進化
AI時代のエンタープライズIT:Rimini Street CEOが語る「クリーンコア」の落とし穴と「ヘッドレス」への進化
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ITmedia6/17/2026Tech7 min readJapan

AI時代のエンタープライズIT:Rimini Street CEOが語る「クリーンコア」の落とし穴と「ヘッドレス」への進化

Quick Look

AIエージェントが業務を代行する時代、エンタープライズITは再定義を迫られている。Rimini Streetのセス・ラビンCEOは、日本企業が直面するERP移行のプレッシャーに対し、「クリーンコア」戦略は競争優位性を奪うと指摘。既存資産の上にAIを被せる「ヘッドレスERP」への進化を提唱し、真の投資戦略を語った。

AI-generated summary

Why It Matters

AIエージェントが自律的に業務を遂行する時代が到来し、エンタープライズITのアーキテクチャ再定義が求められている。多くの日本企業は既存ERPの保守サポート期限切れ(SAP 2027年問題)を前に、クラウド移行に追われている。

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自律型AIが人間に代わって業務を遂行する「Agentic AI(エージェンティックAI)」時代が幕を開け、エンタープライズITは抜本的なアーキテクチャの再定義を迫られている。人間が画面に向かってデータを入力していた時代から、無数のAIエージェントがバックエンドでシステムと連携し、自律的に意思決定を下す世界へ――。ITシステムのあるべき姿そのものが、根本から変わろうとしている。

しかし現実を見ると、多くの日本企業は「SAP 2027年問題」に代表される既存ERPの保守サポート期限切れを前に、メガベンダーが推し進める最新クラウド版やSaaS型ERPへの移行に追われている。果たして、次世代のイノベーションを描くべき巨額のIT予算とリソースを「システムのアップグレード」に投じることが、これからの時代に見合ったROIをもたらすのだろうか。

エンタープライズソフトウェアの第三者保守サポートにおける世界的リーディングカンパニー、米Rimini Street(リミニストリート)の共同創業者兼CEOであるSeth Ravin(セス・ラビン)氏は、かつてPeopleSoftなどでERPベンダー側の幹部を務め、ベンダーのビジネスモデルを内側から知り尽くした人物だ。顧客の利益を守るため、2005年に対抗馬として同社を創業した。

米Rimini Street(リミニストリート) 共同創業者兼CEO セス・ラビン氏

AIの台頭によって、企業は既存のIT資産をどう扱い、次世代に向けてどのようなシステムアーキテクチャを描くべきなのか。来日したラビン氏に、AI時代のエンタープライズITの未来図と真の投資戦略を聞いた。

「クリーンコア戦略」は、企業の競争優位性を奪う

――現在、多くの日本企業がERPのクラウド移行やアップグレードのプレッシャーに直面しています。システム刷新に巨額のIT予算が割かれている現状をどう見ていますか。

ラビン氏: ソフトウェアベンダーは、数年ごとに顧客にアップグレードを強いるビジネスモデルを好みます。しかし、企業側から見れば、投資に対するリターンはアップグレードのたびに減少しています。CFO(最高財務責任者)やCIO(最高情報責任者)はAIの導入にプレッシャーを感じていますが、既存システムの移行プロジェクトに予算を奪われ、「AIに何をどう投資すべきか分からない」と混乱しているのが実情です。

リミニストリートは過去20年にわたり、150カ国でFortune 500企業や政府・軍事機関など、極めてミッションクリティカルなシステムを支えてきました。私たちのコアバリューは、ベンダーの強制的なアップグレードを回避し、システムの寿命を15~20年延長させ、保守コストを半額に抑えることです。

――日本企業は自社の業務プロセスに合わせてERPを重度にカスタマイズしている傾向があります。メガベンダーは現在、カスタマイズを排除して標準機能に合わせる「Fit to Standard」や「クリーンコア」戦略を推奨していますが、これについてはどうお考えですか。

ラビン氏: メガベンダーが「クリーンコア」を強力に推進しているのは、顧客がテーブル構造などをカスタマイズしてしまうと、ベンダー側が提供するAI機能がうまく動作しなくなるからです。

しかし、顧客にとって、カスタマイズやアドオンは長年培ってきた自社の競争優位性そのものです。ベンダーの言うとおりにアドオンをすべて削除し、全員が同じ標準プロセスを使うようになれば、同業他社との差別化の源泉を失います。

さらに問題なのは、その経済性です。これまで莫大なコストをかけて開発したアドオンを一度捨てさせ、ベンダーが提供するプラットフォーム上で再開発させたうえで、さらに毎年サブスクリプション費用を支払わせようとしています。これは顧客企業にとってまったく経済合理性がありません。実際、コストが膨れ上がりすぎてコントロール不能になり、マイグレーションプロジェクトの途中で頓挫したり、CIOが責任を問われて解任されたりするケースも出ています。

既存資産の上にAIを被せる「ヘッドレス」への進化

――では、アドオンを残した既存のレガシーERPのままで、どうやって最新のAIやイノベーションを取り入れればよいのでしょうか。

ラビン氏: 「ヘッドレスERP」という言葉をご存知でしょうか。

AIエージェントが人の作業を代行するようになると、人が利用するためのUIよりも、AIエージェントが連携しやすいインタフェースが求められます。そのため、ERPからUIを切り離し、バックエンドのトランザクションシステムはそのまま維持する考え方です。

私たちはそのヘッドレスERPの上に「Rimini Agentic UX」というフロントのレイヤーを被せます。既存のアドオンやカスタマイズには手を加えず、その上にAIと新しい機能を重ねていく。ユーザーは裏側にある古いERPを直接触る必要はなく、AIエージェントを介して業務を処理できるようになります。我々はこれをServiceNowのプラットフォーム上に構築しており、AI駆動のオーケストレーション、自動化、UXデザインを組み合わせて、役割やペルソナに基づいた生産性向上を実現します。

Salesforceなどもヘッドレス化を進めていますが、こうしたヘッドレスアプリの流れはこれからさらに加速するでしょう。

What to Watch

AI outlook — possibilities, not facts

  • ヘッドレスアプリの流れは今後さらに加速するだろう。

    Likely · Within months

Open Questions

  • AI時代における真のROIとは何か?
  • ヘッドレスERPの普及はどの程度進むか?

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This article was originally published by ITmedia.

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