Quick Look
古川日出男氏の新刊長編『夏迷宮』は、古代から未来まで時間の層を垂直に掘り進む物語。第三次世界大戦勃発から始まり、人魚や1600歳の少女僧が登場。テーマパーク「郡山ピースランド」のパフォーマー、加沙間衣葉の物語も交互に語られる。作家の故郷であり震災被災地でもある郡山を舞台に、伝説、神話、歴史を召喚し、時間の境界を食い破る壮大な「迷宮」を創出する。
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Why It Matters
古川日出男氏の新作長編小説『夏迷宮』は、過去、現代、未来が一体となった物語を描く。作家の故郷であり東日本大震災の被災地でもある郡山を舞台に、伝説や神話、歴史を召喚する。
古川日出男さんの新刊長編『夏迷宮』(講談社)は時間の層を垂直に縦に縦に掘り進める。
古代に届く長い射程から語られる物語は、過去と現代、さらには未来が一体となって現れる。古川さんは「人類史の見方を一度ひっくり返してやろうという試みです。一歩目を踏み出そうという気持ちがありました」と語る。
壮大な「迷宮」を創出
<きのう第三次世界大戦が始まった>
小説はこの一文で始まる。日本兵の佐藤衛布(エフ)は飢餓状態でヨーロッパとアジアの境目を歩いていた。そこに人魚が泳ぐ水槽と戦災孤児を乗せたトレーラーが出現する。1600歳の少女の僧は、人魚の肉を食べると不老長寿を手に入れられると話す。
交互に語られるのはテーマパーク「郡山ピースランド」のパフォーマー、加沙間衣葉(イハ)の物語。ピースランドは、郡山に京都の平安京を再生している。
郡山は作家の故郷であり、東日本大震災の被災地でもある。伝説と神話、歴史を召喚し収れんさせる。「最新型シャーマン」たる古川さんは、時間が境界を食い破るような壮大な「迷宮」を創出する。
聖俗の境界無効化したい
読者を導く文体は「書き言葉」とはリ…
Open Questions
- 人魚の正体は?
- 1600歳の少女僧の目的は?
- 郡山ピースランドの役割は?






