Quick Look
OpenAIによると、同社のAIツールCodexの利用が非技術部門で急速に拡大しており、仕事の将来像を示す兆候と見られている。特に、より長時間を要する複雑な作業や、職務記述の外側にある作業への活用が進んでいる。
AI-generated summary
Why It Matters
OpenAIのAIツールCodexの利用が、当初の技術部門から非技術部門へと急速に拡大している。この変化は、AIが仕事のあり方をどのように変えていくかを示すものと見られている。
OpenAIによると、この変化は同社内で先に表れた。Codexが一般公開された後の数カ月間、社内で仕事に使うAIの中心はChatGPTだった。2025年8月まで、OpenAI従業員の平均において、Codexに使うトークンは全体の1割未満にとどまった。だが現在は、法務や採用など非技術部門を含む全ての部門で、Codexが主要なAIツールになった。OpenAIは、エージェント型ツールの能力と利用しやすさが広がる中で、この社内動向は仕事の将来像を示すものだとみる。
Codexの利用拡大は、機能向上と同時に進んだ。より強いモデルと新機能を取り込むにつれ、Codexは生産的な作業の範囲を広げた。OpenAIは、個人利用者、組織利用者、同社従業員のデータから、過去1年の主な傾向として4つを挙げた。
第1に、利用者はより長い時間を要する仕事にCodexを使うようになった。2026年5月時点で、サンプリング対象の個人利用者のうち80.6%が、人間なら30分超を要すると推定されるCodex依頼を少なくとも1件出した。70.2%は1時間超、25.6%は8時間超に相当する依頼を少なくとも1件出した。
第2に、CodexはOpenAIの全ての部門で主要なAI道具になった。エンジニア部門が先行したが、法務、財務、採用は2026年4月ごろにCodex利用が半数を超えた。平均的なOpenAI従業員において、Codexの利用が出力トークンの85%超を占める。Codex利用者は非利用者より多くのトークンを使う傾向があるため、社内全体の出力トークンに占める比率は高い。OpenAI社内で週ごとに生成される出力トークンの99.8%をCodexが占める。
第3に、非開発者による採用が特に急速に伸び、開発者の伸びを上回った。2025年8月以降、非開発者の利用者数は、個人利用者で137倍、組織利用者で189倍、OpenAI社内で12倍に増えた。OpenAI社内で伸び率が相対的に小さいのは、当初から非開発者の利用水準が平均を大きく上回っていたためだとされる。
第4に、CodexはOpenAI従業員が職務記述の外側にある作業を担う助けになった。技術的な利用は今もエンジニアで目立つが、非技術系の利用者も自動化、データ変換、社内ツール、デバッグ、構造化分析など、コーディングや技術実行を日常的に担う。
OpenAIは、Codexへの依頼のほぼ4分の1が、人なら1時間超を要する作業だと説明した。Codexが独立して長い文脈の仕事を扱う能力を高めたことで、利用者は短いやりとりから、より難しく時間の長い作業へ移った。2025年12月から2026年5月にかけて、人なら30分超を要する依頼を出した個人利用者の割合は80.6%に達した。1時間超の依頼を出した割合は70.2%だった。8時間超の作業に相当する依頼は低い水準から始まったが、伸びは速かった。
日々のCodex稼働時間にも、エージェント利用の拡大が表れた。OpenAIの1日単位のアクティブ利用者のうち利用量が上位にある層は、1日の中で多くの時間に相当するエージェント作業をCodexに依頼した。2026年6月までに、99パーセンタイルの利用者は、複数の並列エージェントに分散する形で、1日当たり60時間超のCodexエージェントターン(エージェントが1回の処理で実行するステップの総称)を定期的に生成するようになった。Codexが高性能化し、並列実行しやすくなるにつれ、利用者は一度に一つの答えを求める使い方から、1日の中で複数のエージェント作業を組み立てる使い方へ移った。
社内採用はエンジニアから始まった。OpenAIの平均的なエンジニアは2025年12月までに、同社製品の利用の過半をCodexに移した。現在、平均的なエンジニアは出力トークンの99%をChatGPTではなくCodexで生成する。法務、財務、採用はその後、2026年4月ごろにCodex利用が半数を超えたが、移行速度は速かった。平均的な弁護士や採用担当者は現在、出力トークンの85%超をCodexで生成する。
過去6カ月で、OpenAI社内のCodex利用は深まり、強まった。社内のアクティブ利用者において、出力トークンの合計変化が部門をまたいで急伸した。研究部門の伸びが最大で、2026年6月時点の中央値は2025年11月の56倍になった。カスタマーサポートは32倍、エンジニアリングは27倍だった。法務の伸びは比較的緩やかだったが、それでも2025年11月水準の13倍に達した。
Codexは当初、コーディング道具として自然な対象だった開発者から使われ始めた。だが、より一般的な知識労働へ用途が広がる中で、非開発者の採用がより速く伸びた。OpenAIは、この変化は非開発者がエンジニアと同じ使い方をしていることを意味しないと説明する。むしろ、より多くの非開発者が何らかのエージェント型作業にCodexを使い始めたことを示す。
Codexは、技術専門性が制約になっていた非技術部門の業務スピードを上げる。OpenAIが示した分析において、データサイエンスや研究ではエンジニアリングとコーディングが最大分類として表れ、財務や事業運営、マーケティング、オペレーションなどでは知識労働が最大分類となった。事業系職種の従業員がCodexで処理した仕事の4分の1超は、エンジニアリングかコーディングだった。OpenAIは、エージェント型ツールが作業領域を越えるコストを下げ、従来は専門的な技術支援を必要とした隣接作業を個人が担いやすくするとみる。
OpenAIは、非エンジニア従業員によるエージェント型ツールの利用増が、従業員に可能な仕事の前線を広げると結論づけた。これは、業務フローを再設計する企業、価値が高まる技能を学ぶ従業員、AIが労働市場をどう変えるかを把握しようとする政策担当者や研究者に関係する。OpenAIは、能力の高いエージェント型ツールに幅広く、容易にアクセスできる場合、ツールの改善に伴い、人々はより長く、複雑で、職能をまたぐ仕事にAIを使うようになるとした。
What to Watch
AI outlook — possibilities, not facts
AIエージェント型ツールの能力向上とアクセス容易化により、利用者はより長くて複雑、職能横断的な仕事にAIを使うようになる。
Likely · Medium term
Open Questions
- AI導入による長期的な雇用への影響は?
- 非技術部門でのAI活用は、生産性向上にどう寄与するか?
- AIによるスキルの陳腐化リスクは?






