Japanese researchers launch "International Order Research Group" to address global challenges
変容する世界情勢を背景に、日本の研究者らが大国間競争や多極化など、今後の世界に影響を与えそうな課題を調査して発信しようと「国際秩序研究会」を発足させました。民主主義は退潮し権威主義が興隆するのか、再び大国が力で支配する時代が来るのか――。研究会の共同座長である岩間陽子・政策研究大学院大教授(国際政治)と粕谷祐子・早稲田大政経学部教授(比較政治)による対談を3回に分けて紹介します。後編は民主主義の重要性や外国人問題と日本の針路などについて語っています。司会は研究会の顧問、国分良成・アジア調査会会長が務めました。
――そもそもなぜ民主主義は大切なのでしょうか。
岩間氏 英国のチャーチル元首相は「民主主義は最悪の政治形態だ。これまで試みられた他のあらゆる政治形態を除けば」と述べました。欠点はあるが一番ましだと。優れた人が権力に就く保証は全くないけれど、権力者をルールに基づいて流血なしに交代させることができるのは民主主義だけ。ここが大事です。ただし、選挙という制度が機能し続けるためには市民という中間層が育っていないとうまくいかない。そこが難しいところです。
粕谷氏 民主主義という政治体制がもたらす価値として自由があります。さらに、民主主義体制の方が政策、統治のパフォーマンスが平均して良いということがリサーチで分かっています。民主主義体制の下で暮らす人は、長期的に見ると権威主義体制の下で暮らす人より良い生活ができるということです。すさまじい飢饉(ききん)も起きていないという指摘もあり、権威主義体制は、一般の人の福利厚生を考えない政治体制であるということを示していると思います。すると「じゃあ、シンガポールは?」と言われますが、それは例外的なケースであって社会科学的な見方ではありません。アフリカなどにおける権威主義体制の失敗例はあまり知られることはなく、アジアでの成功例の情報にさらされている人は、権威主義体制を良いものだと捉えてしまいがちなバイアスがかかるのだと思います。
「開発独裁」という名の労働組合弾圧などが成長につながったわけではないということも研究によって示されています。
看板倒れで終わった「大東亜共栄圏」
――このような世界の中で日本はどのように対応し、どこに重点を置くべきでし…






