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2024年元日の能登半島地震で7階建てビルが倒壊し、妻と長女を失った楠健二さん(58)が、国とビル所有法人に約2億1500万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。国土交通省の有識者委員会報告書を踏まえ、ビルの耐震欠陥と国の不作為を主張している。
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Why It Matters
2024年元日に発生した能登半島地震で、石川県輪島市中心部の7階建てビルが横倒しになり、隣の居酒屋兼自宅が押しつぶされた。国土交通省の有識者委員会は昨年12月、杭の頭部が壊れ、地盤も弱かったため倒れたと推測する報告書を公表した。ビルは1975年に完成し、杭の耐震設計が義務化される2001年より前の建物だった。
2024年元日の能登半島地震で7階建てビルが横倒しになり、隣にあった自宅兼店舗が押しつぶされて妻子を亡くした男性が5日、国とビルを所有する法人に約2億1500万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
訴えを起こしたのは、石川県輪島市中心部で居酒屋「わじまんま」を営んでいた楠健二さん(58)。自身を含めた家族5人で在宅中に地震が起き、妻由香利(ゆかり)さん(当時48)と長女珠蘭(じゅら)さん(当時19)が亡くなった。
ビルが倒壊した原因について、国土交通省の有識者委員会は昨年12月に報告書を公表。未解明の部分も多いとしながら、地中に打ち込まれた杭の頭部が地震の揺れで壊れ、地盤も弱かったため倒れたと推測した。杭のある建物が地震で倒れたのは、国内で初めてだったという。
ビルは、杭の耐震設計が義務化される2001年より前の1975年に完成し、杭の耐震性が不足していたと推定。報告書は、杭の頭部と、建物の荷重を杭に伝える鉄筋コンクリートが接合されていなかったと考えられるとも記載していた。
訴状によると、楠さん側は報告書を踏まえ、倒壊したビルは特定の杭に力が集中しやすく、杭と基礎をつなぐ鉄筋がないなどの欠陥があったと主張。安全性が不足しており、所有者に瑕疵(かし)があるとした。
さらに国に対しては、95年の阪神・淡路大震災などで古い杭の弱さを把握していたと指摘。2014年に能登沖の活断層で大地震が起きると想定しながら、輪島市の低い耐震化率を放置していたと主張している。
加えて、耐震改修促進法に基づく耐震改修を義務づけられる対象を大規模ビルに限定し、今回のビルが対象から除外されたと批判。適切な基準を設けていればビルは倒壊しなかったとして、違法な不作為があったと主張している。
楠さんの代理人の島昭宏弁護士は会見で「今回の倒壊に至るまでに国ができることは幾つもあった。国の防災意識、国民の命に対する姿勢を裁判を通して問いたい」と語った。
国交省はコメントは差し控えるとし、ビルを所有する法人は「担当者不在のためコメントできない」とした。
提訴した楠さんも地震直後、家族とともに地面に投げ出された。ビルの下敷きになった2人を助け出そうと、がれきに潜って何度も体を引っ張ったという。のこぎりやジャッキも使ったが無理だった。今も夜になると、がれきの中の妻と長女の顔が浮かぶ。2人を押しつぶすビルに対し非力だった自分に、悔しさもわき上がるという。
地震の約5カ月後、妻と出会った川崎市で同じ名前の居酒屋「わじまんま」を開いた。「日本は地震大国。こういう場所で古いビルが倒れたら、より多くの犠牲者が出てしまうのでは」と不安を抱いてきた。
会見で「地震は誰にも止めることができない。ビルを倒壊させないことは人間にしかできない」と述べ、「他の人に同じ思いをしてほしくない」と訴えた。ビルは解体され、いまは更地になっている。「2人が亡くなったことまで忘れられるのは嫌だ」と語った。
What to Watch
AI outlook — possibilities, not facts
東京地裁で損害賠償請求訴訟の審理が開始される
Very likely · Within months
国とビル所有法人がコメントを控えたまま、法廷で反論を行う
Likely · Within months
Open Questions
- 東京地裁での審理スケジュールはどうなるか
- 国とビル所有法人はどのような反論を行うか
- 損害賠償請求の認容額はどの程度になるか
- 他の同様の古いビルに対する耐震対策は今後どう進むか






