「位置付け明確に」「必要ない」 9条への自衛隊明記に賛否―安保実務経験者に聞く・憲法公布80年
日本国憲法公布80年、改正案が現実味を帯びる中、元統合幕僚長と元内閣官房副長官補が賛否を語る
Quick Look
日本国憲法公布から80年を迎え、自衛隊を憲法に明記する改正案が現実味を増している。元統合幕僚長の山崎幸二氏は自衛隊の位置付け明確化と士気向上のため改憲を訴える一方、元内閣官房副長官補の柳沢協二氏は「既に決着した問題」として明記の必要性を否定。与党は来春を照準に改憲論議を激化させるが、慎重派の抵抗も強く、28年参院選が分岐点となる可能性がある。
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Why It Matters
日本国憲法公布から80年が経過し、戦争放棄や戦力の不保持を定めた憲法9条と自衛隊の関係を巡る改正論議が現実味を帯びている。与党は来春を照準に改憲を目指す構えだが、慎重派の抵抗も強く、発議に必要な衆参両院の3分の2というハードルが高い。28年参院選が分岐点となる可能性が指摘されている。
日本国憲法公布から80年が経過し、自衛隊を憲法に明記する改正案が現実味を増してきている。戦争放棄や戦力の不保持を定めた憲法9条と自衛隊の関係をどうすればいいのか。元自衛隊制服組トップの統合幕僚長だった山崎幸二氏と、防衛庁(当時)で官房長を務めた元内閣官房副長官補の柳沢協二氏に話を聞いた。
改憲論議、激しさ増す攻防 与党来春照準、慎重派抵抗―28年参院選が分岐点か
山崎氏は、日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しくなっているとした上で、法曹界を中心に自衛隊違憲論が根強くあると主張。「国民一人ひとりがこの国の防衛やそのための組織がどうあるべきなのかを自分のこととして議論していくことが必要だ」との考えを示し、「自衛隊を憲法に記述することで位置付けが明確になり、隊員の士気も上がる」と訴えた。
一方、80年にわたって憲法改正が実現しなかった理由について、自衛隊は合憲という解釈が定着し、国民の多くが自衛隊を好意的に捉えるようになったことで、「何となくみんな(解釈合憲ということで)ふに落ちてしまっている。(改憲に向けて)まだ国民の総意がない」との認識を示した。憲法改正の発議に必要な「衆参両院の3分の2」というハードルも高いとした上で、自衛隊が憲法違反と言われない組織になるよう「しっかりと国民的な議論をして改憲してほしい」と述べた。
これに対し柳沢氏は「今、自衛隊が憲法違反と言う人はほとんどおらず、(違憲か合憲かは)既に決着した問題だ」と指摘。自衛隊の役割は自衛隊法や安全保障法制などの法律で定められており、「憲法に自衛隊を明記しても何も変わらず、変わらないなら明記する必要もない」と話す。
自衛隊に違憲の疑いがあることが隊員の士気や人員確保に影響するとの見方については「今までも(現行の憲法のままで)やってきており、隊員が集まらないのは若者の考えの変化などの問題だ。士気は今も十分で、(改憲と)論理的に関係がない」と断じる。憲法に明記しても法的には自衛隊の役割は変わらないとし、仮に改憲するのであれば明記することで何を変えたいのかを明確にした上で、国民に信を問う必要があるとの考えを示した。
What to Watch
AI outlook — possibilities, not facts
与党が来春を照準に自衛隊憲法明記を含む改憲案を発議する
Possible · Within months
28年参院選が改憲論議の分岐点となる
Possible · Within months
Open Questions
- 自衛隊を憲法に明記する具体的な改正案の内容は何か
- 与党が来春を照準とする改憲の具体的なスケジュールはどうか
- 慎重派の抵抗をどう乗り越えるかの具体策は示されているか






