Quick Look
自民党内で個人向け国債への税制優遇を求める声が広がっている。政府・日銀の国債保有圧縮と財政不安による金利上昇が背景にあるが、優遇策は信用不安や格差拡大を招く懸念もあり、政府・自民執行部は対応に苦慮している。
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Why It Matters
自民党内で個人向け国債への税制優遇を求める声が上がっている。これは、日銀の国債保有圧縮と財政不安による金利上昇という背景があるためだ。
個人向け国債への税制優遇を求める声が自民党内で広がりつつある。高市早苗首相の「責任ある積極財政」を支えるためにも、幅広い国民からお金を借りてこようというものだが、優遇の仕方によっては国債の信用不安や格差拡大を助長しかねず、政府や自民執行部の悩みは深い。
「国債は資産」
「国債は(国にとっての)借金だが持っている方からすると資産だ。もう少し個人で投資できる形をつくってもいいのではないか」
自民党の中堅・若手有志で構成する「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の石橋林太郎事務局長(衆院当選3回)は11日、首相に官邸で提言書を手渡した後、記者団にそう力説した。提言書には歳出拡大の具体策と共に、個人向け国債の販売促進策を「税制上のインセンティブ措置を含め」検討するよう求める一文が盛り込まれていた。
「異次元緩和」の後始末
毎年数十兆円規模で増え続け、2025年末時点で発行総額が1025兆円に上る日本国債。その受け皿探しは政府・与党にとって喫緊の課題だ。
ピークの23年9月末には国債発行残高の54%を保有していた日銀が「異次元緩和」の終了を経て保有圧縮に動いており、25年末には49%に比率を落とした。市場では需給が緩みつつあり、歳出拡大による財政不安も相まって長期金利は上昇基調。代表的な長期金利の指標である新発10年物国債の利回りは足元2・6%程度で推移している。長期金利は政府の利払い負担だけでなく、住宅ローン金利などを通じて国民生活を左右するだけに、更なる上昇は内閣支持率にも響きかねない。
このため政府は「個人投資家の方々による保有促進を進めていく」(木原稔官房長官)方針を打ち出している。国債残高に占める個人(家計)の保有比率は足元2%に過ぎないが、その分伸びしろも大きい。有事の際「日本売り」に動きかねない海外勢(保有比率7%)への依存度を高めるより安心だという認識だ。
政府「国債多様化」案の限界
政府は具体策として、個人向け国債の特徴である「満期を待たずに換金しても元本割れしない」といった安全性に配慮しつつ、償還期間の選択肢を増やすなどしてより買いやすくする方針だ。現在発行しているのは固定金利3年物、5年物と変動金利10年物の3種類だが、10年より長いタイプの追加などを検討する。併せて27年発行分からはマンション管理組合など一部法人も個人向け国債を購入できるよう制度を見直す。
とはいえ選択肢の多様化などだけでは日銀の保有量圧縮をカバーしきれず、更なる一手が必要だとの見方は多い。そこで提唱され始めたのが、税優遇だ。
「相続税対策」で高齢層取り込み案
税優遇論者は自民の中堅・若手を中心に複数いるが、代表格は中西健治元副財務相だ。JPモルガン証券副社長を経て参院議員を…
What to Watch
AI outlook — possibilities, not facts
個人向け国債の販売促進策が具体化される
Likely · Within months
税制優遇措置が導入される
Possible · Within months
Open Questions
- 具体的な税優遇の内容は?
- 格差拡大のリスクをどう回避するか?
- 国民の国債購入意欲は高まるか?





