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福島県郡山市で発生したマイクロバス事故で、運転手が免許返納を促されていたにも関わらず事故を起こした背景について、国学院大の高橋信行教授が制度の「隙間」を指摘。高齢者講習や運転技能検査の対象外であった68歳運転手への対応や、バス会社側の安全管理体制の不備、学校や行政の負担軽減策について解説。
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Why It Matters
福島県郡山市の磐越道で発生したマイクロバス事故で、運転手が免許返納を促されていたにも関わらず事故を起こした。事故を防ぐための対策について、専門家が解説。
福島県郡山市の磐越道で北越高校(新潟市)の生徒が亡くなった5月のマイクロバス事故。運転手は、直前に物損事故を繰り返し、警察から免許返納を促されていました。事故はどうすれば防げたのでしょうか。運転免許制度や公共交通政策に詳しい国学院大の高橋信行教授(行政法)に聞きました。
――事故を起こした運転手は、有償で人を乗せるのに必要な大型2種免許を持っていなかったといいます。
そもそもバス会社が外部の運転手を手配すること自体が問題です。そのうえバス会社は運転手がどのような人物かを把握していなかった。責任は大きいです。
――手配を担った会社の営業担当者は「知人の知人」と会見で説明しました。取材ではこの営業担当者の知人も「知人の知人を紹介した」と語りました。
バス会社は、当初は誰が紹介したのかも正確に把握していなかった可能性があります。間に人が入れば入るほど、その運転手にどんなリスクがあるのかが分かりにくくなるのは当然で、大きな問題です。
――燃料費や人件費の上昇などで、貸し切りバスの料金は高くなっています。
貸し切りバスが高い理由は、バス会社が安全管理にコストをかけているからです。遠征を貸し切りバスだけで運用するのが理想ですが、保護者が負担する部費だけでこれをまかなうことは難しいでしょう。
やむをえず教職員や保護者に運転をお願いする場合でも、学校側はアルコールチェックや運転・休憩時間の管理などにも取り組んでほしい。国や都道府県もバス費用などを補助することで負担軽減を図るべきです。
――運転手は事故前の1カ月ほどで5件の物損事故をしていました。事故を繰り返すドライバーに、警察はどういった対応ができますか。
警察は、物損事故を複数回起こしたことだけを根拠に、免許の停止や取り消しをすることはできません。
物損事故で免許停止などにつながるのは、事故に関連して信号無視や大幅な速度超過、事故の不申告などで違反点数が累積した場合です。
今回のドライバーは68歳でした。高齢ドライバーの交通事故対策で、現行の制度が対象としているのは70歳以上で、この枠には当てはまりません。
高齢者講習は70歳以上からで、実際に車を運転する運転技能検査(実車試験)があるのは、信号無視や大幅な速度超過といった特定の違反歴などがある75歳以上です。
複数の制度の「隙間」にぽっかり落ちてしまったことで起きてしまった事故だと思います。
■「免許の取り上げで解決する
Open Questions
- バス会社は運転手のリスクをどう評価すべきか?
- 学校や行政はどのような負担軽減策を講じるべきか?






