バーニーズ ニューヨーク、銀座本店大規模リモデルで「心理的バリア」を打破し新規顧客獲得へ
Quick Look
バーニーズ ニューヨーク銀座本店が大規模リモデルを実施。高級感による「心理的バリア」を下げ、カフェやギフトエリアを新設。新規顧客の購買数が20%増加し、体験型マーケティングで実店舗の価値を高める。
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Why It Matters
バーニーズ ニューヨーク銀座本店は、高級感による心理的バリアを解消するため、大規模リモデルを実施。カフェやギフトエリアを新設し、新規顧客の購買数を20%増加させた。
前回の記事【高級セレクトショップ「バーニーズ」が新品と中古の二刀流 富裕層の「初めての中古購入」を狙うワケ】では、新品とユーズド(中古品)を融合させたバーニーズ ニューヨークの「高級リユース二刀流戦略」の舞台裏をレポートした。
ラグジュアリーファッションを展開する同社は、常に顧客に対して新たな体験を提供してきた。2025年秋には東京・銀座本店でオープン以来初となる大規模リモデルを実施。ラグジュアリーブランド特有の“ある課題”にアプローチした。
「高そうで入るのが怖い」「自分には関係ない」──同社が直面したのは、築き上げてきた伝統が知らず知らずのうちに「高級感という名の心理的バリア」を生み出してしまったという課題だ。
銀座本店で大規模リモデルでは、来店ハードルを下げることを意識し、1階フロアにカフェスペースや手頃なギフトエリア、ポップアップスペースを配置した。単に流行の衣類を並べる売り場ではなく、顧客が楽しめる時間を演出する「大人のワンダーランド」を目指している。
競合を百貨店ではなく「ファイブスターホテル」(五つ星ホテル)だとし、あえて“非効率な時間”を提供することによって、実店舗の存在価値を示した。この結果、リモデル後の銀座店では、新規顧客の購買数が20%も増えたという。
デジタルシフトや原材料高騰で小売業の在り方が変わる中、同社はなぜ空間と人への投資を強化したのか。バーニーズ ジャパンのペニー・ルオ(Penny Luo)社長に、リアル店舗が生き残るための体験型マーケティングの深層を聞いた。
「まずはお店に入ってもらう」ことが第一歩
「バーニーズ ニューヨークって、正直ちょっと入りづらいですよね」――そんな言葉を、ルオ氏は素直に受け止めた。
「何の店か分からない」「高そうで怖い」「自分には関係ない」。顧客にアンケートを取ると、多くの人からこのような意見が集まった。リモデル前の銀座本店には明確な課題があったのだ。
創業から日本のラグジュアリーリテールを象徴してきた同ブランド。銀座本店の全面リモデルという決断を下したのには、時代の変化と「顧客との距離」を見つめ直す狙いがあった。
「高級感がバリアになっていたかもしれません。だからこそ、まず“入ってもらう”ことを目標にしました」
入店してもらうために設けたのが、1階の新コンセプトフロアだ。コーヒーを飲みながら休憩できるカフェスペース、手頃な価格帯のギフトコーナー「チェルシーギフト」、限定のスイーツや雑貨が並ぶポップアップエリア。いずれも「気軽に立ち寄れるきっかけ」を意識して設計した。
「お店の中に一歩入ってもらえれば、それでいいんです。思い出にタオル一枚でもいい。『あ、バーニーズってこういう場所なんだ』と感じてもらうことが第一歩なのです。これまでのバーニーズは、ファッションに詳しい人たちが訪れる“特別な場所”でした。しかし今の時代、それだけではお客さまの心を動かせません。“ワクワクする体験”を提供する場所にする。私たちは、もう一度生まれ変わりたいと思ったのです」
「ハードルを下げる」ための仕掛けは、明確な成果を出した。ギフトエリアとポップアップスペースを拡充した結果、銀座本店の新規顧客の購買数が前年比で20%増加しただけでなく、入店客数も大きく伸長した。店舗体験の強化が、単なるイメージ刷新にとどまらず、確固たる収益基盤の拡大に直結している。
ワンダーランドのような店舗体験を目指す
ルオ氏が何度も口にした言葉が「ワンダーランド」だ。
Open Questions
- リモデル後の他店舗への展開は?
- 競合ホテルとの具体的な差別化戦略は?






