
政府は30日、皇族数確保に向けた皇室典範改正案を閣議決定し衆院に提出した。旧宮家の男系男子の養子受け入れと女性皇族の結婚後皇室残留が柱で、養子に男の子が生まれた場合、皇位継承資格を有することを盛り込んだ。1947年制定以来初の実質改正で、今国会成立を目指す。一部野党は養子の子息の継承資格に反発している。
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政府は30日夕の臨時閣議で、皇族数確保に向けた皇室典範改正案を決定し、衆院に提出した。(1)旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える(2)女性皇族が結婚後も皇室に残る―の二つが柱。養子に男の子が生まれた場合、皇位継承資格を有することを盛り込んだ。皇室典範が1947年に制定されて以来、実質的な改正は初めて。今国会中の成立を目指す。
改正案は5章37条からなる現行典範のうち、養子を禁じた9条を修正し、「養子皇族男子」に関する6章を新設。旧11宮家の男系男子で、配偶者と子のない15歳以上の男性が養子の対象と定めた。養親の範囲は親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王とし、皇嗣・皇嗣妃は除外。養子縁組は皇室会議に諮り、縁組と同時に皇族となる。
皇位継承は現行1条で男系男子のみに認められている。改正案は養子の子孫に関し、皇位継承順位を記した2条の適用を「実方(養子の実家)の系統によるものとする」と記述。継承資格を有することを明確にした。養子本人には2条を「適用しない」とし、資格がないことを明示した。
一方、女性皇族について、婚姻時の皇籍離脱を定めた12条を削除した。政府の説明によると、夫と子は皇族にならない。
併せて住民基本台帳法を改正。結婚後の女性皇族に適用し、皇統譜に登録されたまま住民基本台帳に記載されるとした。天皇は「国政に関する権能」を有しないとする憲法4条の規定を踏まえ、女性皇族は投票権を持たない。
経過措置として、改正典範施行時の女性皇族は「その意思により、皇族の身分を離れることができる」と付則に記した。
付則には、皇族数の確保状況などを勘案し、必要があれば30年ごとに見直す規定も設けた。
皇族数の確保を巡っては2021年、政府有識者会議が女性皇族の身分保持と旧宮家男系男子の養子受け入れを提言。与野党が協議を続け、今年6月に衆参両院の正副議長の下で「立法府の総意」を取りまとめた。
有識者会議や与野党協議で議論されなかった養子の子息の継承資格が改正案に盛り込まれたことに一部野党は猛反発する。政府・与党が想定した「静謐(せいひつ)な環境」での審議は、前提が崩れている。

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