NEC、Anthropicとの協業でBluStellar Intelligent Managed Serviceを提供へ 日本のサイバー空間を守るミッション掲げる
Quick Look
NECは4月末にAnthropicとの戦略的協業を発表し、BluStellar Intelligent Managed Serviceの提供を開始。IT/ネットワーク資産管理、脆弱性管理、脆弱性対処の3つのサービスで構成し、AIを活用したサイバーセキュリティ対策を強化。2027年度には『AIネイティブなIT運用』の実現を目指す。
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Why It Matters
NECは4月末にAnthropicとの戦略的協業を発表し、国内企業最大規模約3万人のAIネイティブエンジニア体制を構築する計画を明らかにしていた。
NECは4月末、Anthropicとの戦略的協業を電撃発表して大きな話題になった。同社は「日本および海外のNECグループへのClaude展開をすすめ、国内企業最大規模約3万人のAIネイティブエンジニア体制を構築します」と発表していた。
協業後の取り組みについて、木村氏は「一般社員にClaudeを全展開しており、業務にAIを適用している」とし、コーポレート業務などにAIを取り入れていると説明。IT領域ではコーディングAIを活用して「顧客のシステム構築」「ソフトウェア製品の開発」といったシステム開発業務をAIで高度化・効率化しているという。
「Anthropicとやりとりする中で、生成AIによるサイバー攻撃の高度化・自動化に対する危機感が高まってきた。Anthropicとの協業で『開発の高度化』『社員の業務効率化』『業界特化型アプリケーションの開発』に取り組んでいることがベースにあり、セキュリティも提携のターゲットの一つにしたことで、今回の話(BluStellar Intelligent Managed Serviceの提供)に至っている」(木村氏)
木村氏は「Anthropic本社のエンジニアとやりとりをした」と説明し、BluStellar Intelligent Managed Serviceを開発する際の「どのような条件にするか」「どう取り組んでいくか」といった点を詰めたという。4月からの取り組みがあったからこそ「密に連携できた」と話す。
Anthropicは「日本を注視している」 なぜ?
木村氏によると、Anthropicは日本のセキュリティ分野に対して強い関心を寄せているようだ。
「Anthropicは、日本のセキュリティ動向を注視している。3メガバンクが『Claude Mythos Previewにアクセスさせろ』と訴えて、いざ提供されることになったら米国政府が提供を停止させた流れがある。(Anthropicが提供を拒んでいるわけではない。だからこそ)今回、フロンティアAIにアクセスできる。言ってしまえば、いま『一番の注目ポイント』であり、注視しているはずだ」(木村氏)
この発言の背景には、日本の大手金融機関などが米国の先端AIモデルの導入に極めて意欲的である一方、安全保障上の観点から米国政府が制御に動いている経緯がある。一連の流れの裏で、日本の市場動向が米AIベンダーの経営戦略を左右するほどの存在感を出しているという実情がある。
「日本のサイバー空間を守る」 ミッション掲げて挑むAI技術の活用
BluStellar Intelligent Managed Serviceは、大きく分けて3つのサービス――「IT/ネットワーク資産管理サービス」「脆弱性管理サービス」「脆弱性対処サービス」で構成している。顧客のセキュリティ対策状況に応じて、必要な要素を組み合わせて提供する仕組みだ。
脆弱性管理サービスには、同社が「.JP(日本のサイバー空間)を守る」というミッションを掲げて展開するサイバーセキュリティサービス「CyIOC」(サイオック)に活用しているAI技術「cotomi Security for Industry」を取り入れている。
同技術を用いることで、一般公開されている脆弱性リスト「CVE」(共通脆弱性識別子)などの外部情報と、フロンティアAIを使って発見した顧客のIT環境に存在する未公開の脆弱性情報を組み合わせて、リスクを分析。対応の優先順位付けや対策を提案する。未公開の脆弱性に対しては、システムの本番環境に影響を与えないネットワーク層に適用する修正コード「仮想パッチ」をAIが生成して迅速な対応につなげる。
新セキュリティサービス、2027年度には「自然復旧まで対応」目指す
BluStellar Intelligent Managed Serviceは、顧客のDXやAX(AIトランスフォーメーション)を支援するNECの価値創造モデル「BluStellar Scenario」(ブルーステラ シナリオ)の枠組みで提供する。9月から提供を始め、2026年度下期にかけて一部工程の自動化やラインアップの強化を実施する。
木村氏は「2027年度には『AIネイティブなIT運用』の実現を目指す。自律的な診断・対策や、未然の対応、自然復旧まで対応できるサービスとして高度化する」と意気込みを見せた。同サービスを通して、AI時代に必要なセキュリティ対策を実現し、企業の対応力を強化させられるか。
What to Watch
AI outlook — possibilities, not facts
2027年度には『AIネイティブなIT運用』の実現を目指すサービスへと高度化する
Likely · Within years
9月からサービス提供を開始し、2026年度下期にかけて一部工程の自動化やラインアップの強化を実施する
Very likely · Within months
Open Questions
- BluStellar Intelligent Managed Serviceの具体的な料金体系は何か?
- サービス提供開始後の顧客獲得見込みはどの程度か?
- Anthropicとの協業における知的財産権の取り扱いはどうなるか?





