最高裁、不倫相手に「離婚信じた落ち度」認定の判断を議論
<離婚したとか、婚姻関係が破綻しているなどと虚言を弄(ろう)して不貞行為に及ぶ者が多いことは世上よく知られている>
不倫を巡る損害賠償請求訴訟で、高松高裁が判決にこんな一文を記した。
そして妻から離婚届を見せられていた不倫相手には、離婚を簡単に信じた落ち度(過失)があるとして、不貞行為の慰謝料など55万円を夫に支払うよう命じた。
本当に不倫相手に落ち度はあったのか。最高裁が真剣に議論している。
食い違う言い分
「離婚を信じたことの過失の有無を争っていますが、婚姻関係の破綻についてはどうですか?」
4月10日、最高裁第2小法廷。4人の判事が並ぶ法壇から質問が飛んだ。
声の主は裁判官出身の尾島明裁判長。弁論と呼ばれる手続きで、原告、被告の双方から意見を聞いて判決の参考にする。
訴訟では婚姻中の妻の不倫で離婚を余儀なくされたとして、元夫が不倫相手に330万円の賠償を求めている。
「不貞行為が発覚した当時は同居し、子どもを養育して婚姻関係は破綻していなかった」
元夫側の代理人弁護士が答えた
一方、不倫相手の代理人弁護士も譲らなかった。
「婚姻関係は破綻していると思っていた」
双方の溝は埋まらないまま審理は結審した。
半世紀前「慰謝すべき義務」
不貞行為(不倫)と司法判断。このテーマ、実は歴史があり、奥が深い。
1979年、最高裁第2小法廷は妻子ある男性と銀座のホステスだった女性との不倫で判決を言い渡している。
男性がホステスの元に通ううちに肉体関係を持つようになる。2人の間には子どもも生まれた。
関係に気づいた妻から男性は責め立てられた。妻への愛情を失いかけていた男性は家族の元から姿を消す。
他県で暮らしたものの、約3年後にホステスと生活を共にした。
妻はホステスに損害賠償を請求した。
2審判決は、ホステスが男性に金品を貢がせたことがないことなどから「男性との関係は相互の対等な自然な愛情に基づいて生じた」と認定。請求を棄却した。
これに対し、第2小法廷は180度違う結論を導く。
記事後半では不倫した側、不倫された側の双方に対する最高裁の考え方を解説しています
<夫婦の一方の配偶者…






