Japanese researchers launch group to study global order amid great power competition
変容する世界情勢を背景に、日本の研究者らが大国間競争や多極化など、今後の世界に影響を与えそうな課題を調査して発信しようと「国際秩序研究会」を発足させました。民主主義は退潮し権威主義が興隆するのか、再び大国が力で支配する時代が来るのか――。研究会の共同座長である岩間陽子・政策研究大学院大教授(国際政治)と粕谷祐子・早稲田大政経学部教授(比較政治)による対談を3回に分けて紹介します。中編では東南アジアに浸透する中国の言説やパワーポリティクスの時代に戻ったのかなどについて語っています。司会は研究会の顧問、国分良成・アジア調査会会長が務めました。
欧州の至る所に「ミニオルバン」
――欧州連合(EU)加盟国のハンガリーでは4月の総選挙で親ロシアのオルバン政権が敗れ、政権が交代しました。それでもやはり欧州では権威主義が浸透しつつあるのでしょうか。
岩間氏 各国にそうした傾向の政党があります。ドイツの場合、全体で支持率が20~30%、旧東ドイツの地域では40%に近づく状況です。メルツ首相は典型的なエリートでビジネスマンの経験もある。多分、東側で育った普通のおじさん、おばさんにとっては「どうせ自分たちの問題は分かってもらえない」と、すごく遠くに感じる人なのだと思います。オルバン氏は16年も首相を務め、政権は腐敗するし経済もうまくいっていなかったので、与党が負けたのです。しかし、まだ「ミニオルバン」は欧州の至る所にいるので、今後も欧州政治が順調に進むとは思いません。
独仏がリードし、それを英国が支えるというのが欧州の伝統的なリーダーシップでした。ドイツは2026年秋に東側の二つの大きな州で州議会選挙があります。そこで既存の政党が大きく負けると、連邦レベルのリーダーシップも弱ってこざるをえません。また、27年はフランス大統領選の年ですが、行方は分かりません。欧州は戦後ずっと米国に頼り切っており、その空白を埋めることのできる、指導力のある政治家がいないと感じています。
――米国がだめなら中国へ、という思考にはならない?
岩間氏 欧州では感情の面で米国離れが徐々に進んでいます。やはりグリーンランドの問題が大きかった。同盟国の領土を力で奪おうとするのか、と。昔の米国じゃないという気持ちが広がりつつあります。トランプ氏に衝撃を受ける度合いがアジアと欧州では違います。かといって中国はオファーできるものが限られるので、そちらにズズズッという感じでもありません。そこで、同じ価値観で話せる国として日本や韓国、カナダ、オーストラリアなどが注目されています。
東南アジアにじわり浸透する言説
――民主主義と権威主義を分けるものは何でしょうか。グレーゾーンは大なり小なりどこの国にもありますが。
粕谷氏 民主主義であるためには、競合的な選挙が実施されることや言論の自由、結社の自由があることなど幾つかの条件があります。ただし、どう線引きするのかというのは研究者の間でも論争のあるところです。
岩間氏 民主主義か権威主義かと二分せず、…






