
気象庁が午前4時半に福井市、大野市、勝山市にレベル5大雨特別警報を発表。各地で道路冠水や浸水被害、避難の動き。
気象庁は30日、福井県に大雨特別警報を発表し、観測史上最多の24時間降水量を記録した。福井市などで河川の氾濫危険水位超えや浸水被害が相次ぎ、6市町に災害救助法が適用された。
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日本海から日本の東側に前線が停滞し、湿った食気が流れ込んで大気の状態が不安定になっている。
気象庁は30日午前4時半、福井県にレベル5大雨特別警報を発表した。対象は福井県の福井市、大野市、勝山市。午前11時40分、レベル4大雨危険警報に切り替えた。
坂井市で1人軽傷
福井県は福井、大野、勝山、あわら、坂井、永平寺の6市町に災害救助法を適用した。
福井県によると、正午時点で人的被害は坂井市で軽傷1人が確認された。6市2町で115カ所の避難所が開設され、302人が避難している。住宅被害は3市1町で床下浸水が15軒、床上浸水が1軒報告されているという。一時、福井、大野、勝山の3市全域の30万2610人に緊急安全確保が発令された。
雨は午後にはピークを過ぎる見通しだが、引き続き厳重な警戒が必要だという。
「経験したことのないような大雨」
気象庁と国土交通省は午前5時半から会見を開き、「これまでに経験したことのないような大雨で、何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い。命の危険が迫っており、ただちに身の安全を確保してほしい」と呼びかけた。浸水が懸念される場合には車で移動しないよう求めた。
レベル5特別警報では、避難所へ向かうことにはこだわらず、近くの頑丈な建物の上層階などへの避難が求められる。外へ出ることも危険な場合は、2階以上の部屋に移動するなど、少しでも命が助かる可能性の高い行動をとることが必要だ。
24時間降水量、観測史上最多
気象庁によると、日本海から日本の東側に前線が停滞し、湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になっている。
30日未明の1時間降水量は福井市美山で64.0ミリ、坂井市春江で57.0ミリ、大野市で52.0ミリ、勝山市で47.0ミリ。午前11時までに観測した最大の24時間降水量は勝山市で350.5ミリ、福井市美山で318.0ミリ、坂井市春江で314.0ミリ、大野市で279.5ミリで、いずれも観測史上最多となった。
今回の大雨は非常に激しい雨ではあるが、線状降水帯は発生していない。気象庁の細見卓也予報課長は「1時間の降水量としては十分多いが、100ミリ前後の記録的短時間大雨は観測されていない。50~60ミリほどの雨が長い時間、比較的同じ場所に降り続くことで大雨になった」とした。
荒川などで氾濫発生水位を超す
国土交通省によると、午前4時半時点で福井市の荒川、大野市の赤根川で氾濫(はんらん)発生水位を超えたほか、福井市の芳野川、大野市の清滝川、坂井市の田島川で氾濫危険水位を超えている。
「車が立ち往生」通報相次ぐ 床上浸水も
福井県によると30日午前8時現在、大雨特別警報が出ている勝山市や大野市で床上浸水が1軒、床下浸水が4軒確認されている。
福井県警には午前6時時点で、車両の立ち往生や道路冠水などの110番通報が25件寄せられているという。
福井市消防局によると、「車が立ち往生して出られなくなった」という通報があり、消防隊員が乗っていた2人を救出したという。
「駐車場、ひざの上まで冠水」 福井市
大雨特別警報が発表された福井市内で燻製(くんせい)料理のテイクアウト店を営む青木珠美さん(54)。30日朝から店舗に迫ってきた茶色い水を心配そうに見つめた。
青木さんによると、店近くの自宅の駐車場は午前5時ごろには足首ほどの高さまで冠水していたため、車を高台へ移動させた。その後、水位はみるみる上昇し、駐車場はひざの上ほどにまで冠水したという。
雨は降り続いた。店近くを流れる用水路はあふれ、隣接する田んぼが一面水につかった状態に。店前の道路も冠水し、車はタイヤの20センチ程度まで水につかりながら行き交っていたという。
やがて店の作業場まで水につかってしまった。「1時間ほどで10~20センチほど水位が上がった」と話した。
青木さんは「用水路と田んぼの境目が分からないほど。田んぼは真っ茶色の沼のようになっている」。収穫期を前にした稲の被害を心配し、「農家さんのことを思うと心配だ」と語った。
深夜からは緊急速報が相次ぎ、ほとんど眠れなかったという。
22年前、同じく福井市内が広範囲に浸水した福井豪雨も経験したが、「あの時は堤防の決壊後に水が引いた。今回はただ眺めているしかない」と話した。
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雨は午後にはピークを過ぎる見通し
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