PC価格高騰を受け、三菱HCキャピタルITパートナーズはコスト削減策としてメーカー再生品「リファービッシュPC」の導入を開始。業務に必要な性能を精査し、VAIOの再生PC「Reborn VAIO」を80台採用した事例を紹介する。
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生成AI需要の拡大による半導体不足で、PC調達価格が高騰している。企業は予算内で必要な性能を確保するため、調達方法の見直しを迫られている。
PC価格の高騰が、企業の調達担当者を悩ませている。業務に必要な性能は落としにくい一方、価格上昇に合わせて予算を増やせるとは限らない。こうした中、コストを抑える選択肢の一つとして注目されているのが「リファービッシュPC」だ。
リファービッシュPCは、企業などで使われたPCをメーカーなどが回収し、検査やクリーニング、必要に応じた部品交換を行って再販売する再生品だ。一般的な中古PCとは異なり、メーカーが自社製品を再整備し、一定の品質基準や保証を設けて販売するものもある。
ただし、再生品を業務用に使うとなれば、考慮する必要が出てくるのが性能や故障リスク、保証、セキュリティ面などだ。企業はこうしたリスクをどう見極めているのか。PCなどのIT機器のレンタル・リースを手掛ける三菱HCキャピタルITパートナーズ(東京都千代田区)のシステム担当者に、PC高騰下での調達事情を聞いた。同社は、2025年にVAIOの再生PC「Reborn VAIO」を社用PCとして導入している。
新品PCの見積もりを取り直したら「1週間で3割高」
企業のPC調達を難しくしているのが、ここ最近の価格上昇だ。電子情報技術産業協会(JEITA)は6月、生成AIの普及によるデータセンター需要の拡大を背景に、CPUやメモリ、SSDなどの不足が深刻化し、PCを含むIT機器の調達価格が高騰しているとの緊急声明を発表した。
こうした価格高騰は、三菱HCキャピタルITパートナーズのPC調達にも影響を及ぼしている。同社でPCの選定などを担うシステム部システム企画課長の青山裕樹氏によると、新品PCの価格変動は激しく、見積もりの有効期限が1週間程度に設定されるケースもあるという。
実際、メモリ価格の高騰が特に激しかった時期には、見積もりから1週間後に再見積もりを取ったところ、価格が約30%上がっていたこともあったという。
しかし、PC価格が上がっても、予算が同じように増えるわけではない。「円安の影響もあり、今まで以上に費用対効果を意識して調達する必要が出てきた」と青山氏。必要な性能を確保しつつコストを抑えるため、端末の調達方法そのものを見直す必要が生じたという。
新品の予定から、再生品も比較対象に
三菱HCキャピタルITパートナーズも、当初は新品PCの導入を予定していた。ただ、新品PCの価格が上がる中で調達コストを見直すうちに、リファービッシュPCも比較対象に入った。もっとも、青山氏自身「最初は中古品というイメージがあった」と振り返る。
そこで浮上したのが、VAIOが自社製PCを回収し、検査やクリーニング、部品交換などを施して再販売する「Reborn VAIO」だ。コストを抑えられるうえ、外観も整備され、メーカー保証も付けられることから導入候補となった。
三菱HCキャピタルITパートナーズは25年8月から、社員向け業務用PCの一部としてReborn VAIOを80台導入している。もちろん、価格だけで決めたわけではなく、同社の選定基準に基づいて事前検証なども行った。
最新機種より「業務を回せる性能」
同社では、PCの更新時にCPUやメモリの使用状況を確認し、実際の業務負荷に応じて次の端末のスペックを決める。Web会議の増加で必要なメモリ容量は増えている一方、生成AIはCopilotなどSaaS側の機能を利用しており、現時点ではPC自体に高いAI処理性能は求めていないという。
Reborn VAIOについても、Windows 11のシステム要件を満たすことを確認した上で、実機で業務アプリの動作を検証。自社の業務環境で問題なく使えると判断した。
青山氏によると、性能面では、安さを優先してスペックを落とすのではなく、実際の業務に必要な水準を見極めたという。三菱HCキャピタルITパートナーズでは、営業向けは軽さやバッテリー駆動時間、事務向けは画面サイズを重視しており、動画制作などの高負荷な作業は少ないため、必要以上の性能は求めていない。
同氏は、あくまでも「業務を回せることを最優先にしている」という。管理上は機種をできるだけ絞りたい一方、業務内容によって必要な性能が異なれば、2~3種類に分けて導入する考えだ。
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