クマの「緊急銃猟」開始から1年、14道県で81件実施…安全確保やノウハウ不足が課題
クマやイノシシが市街地に出没した際の「緊急銃猟」が始まって9月で1年。東北や北陸などで81件実施されたが、安全確保に時間がかかるケースやノウハウ不足が課題となっている。
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クマやイノシシの市街地出没に対応する「緊急銃猟」の開始から1年で14道県計81件が実施された。迅速な捕獲に効果がある一方、安全確保の時間やノウハウ・人材不足が課題として浮き彫りになっている。
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Why It Matters
クマやイノシシの市街地出没に対応するため、夜間や住宅密集地での発砲を原則禁止から条件付きで容認する「緊急銃猟」制度が運用されている。
クマやイノシシが市街地などに出没した際に市町村の判断で発砲できる「緊急銃猟」の開始から、9月で1年となった。環境省によると、クマでは8月末までに東北や北陸などの14道県で計81件実施され、活用が広がった。ただ、安全確保に時間がかかるケースがあるほか、捕獲経験がない自治体ではノウハウ不足が課題となっている。
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クマの緊急銃猟は、2025年10月に仙台市で初めて実施。それまで夜間や住宅密集地での発砲は原則禁止されていたが、自治体からは「条件さえ整えば迅速に捕獲できるようになった」との声が上がる。実施件数の7割弱が冬眠前のクマが餌を求めて活発に活動する10~12月に集中。都道府県別では、山形県が最多で19件、新潟県が14件、岩手県と富山県がそれぞれ8件などとなっている。
実施で最も重要な条件となるのが、現場周辺の安全確保だ。自治体や警察は住民らに危害が及ばないよう、避難誘導や交通制限を行い、流れ弾を受け止める土手などの「バックストップ」を確保する必要がある。
福島県郡山市では今年4月、住宅地に出没したクマが小学校の周辺などを移動。安全確保に時間がかかり、緊急銃猟に踏み切ったのは最初の目撃から約43時間後だった。高い技術を求められる夜間に発砲できるハンターの不在も長期化の一因になったという。
福島市では6月、クマが工場内に2日間にわたって居座った。引火の可能性を考慮して麻酔銃を用いたが、捕獲には至らず、市担当者は「初事例だったこともあり、長期化した。マンパワー不足も痛感した」と振り返る。
実施件数が多いほどノウハウが蓄積されるため、環境省担当者は「自治体の対応力に差が出ている」と指摘。山形県の担当者は「県内でも、警察との連携など実務的な議論を深めている市町村がある一方で、ようやく体制が整い始めたところもある」と話す。
このため同省は、自治体向けの研修会で先行事例を紹介するなど、知見の共有に力を入れる考えだ。クマの捕獲や管理を担う公務員「ガバメントハンター」ら専門人材の育成も支援している。
Open Questions
- ガバメントハンターの育成はどれほど進むか
- 自治体間のノウハウ格差は解消されるか







