Quick Look
2025年10月2日、朝日新聞記者が日本郵便の情報開示請求を総務省に行った直後、総務省郵政行政部幹部らのグループチャット「放棄・隠匿」で、請求への対応を特例で延長し、内容を黒塗りにする方針が議論されていたことが判明した。チャットでは「木鼻」や「ほとぼりを覚めさせる」などの表現が使われ、過去の会食接待問題での延長事例も引き合いに出された。実際の開示は請求から約3か月後の2026年1月中旬に行われ、文書の多くは公表済みまたは黒塗りだった。情報公開法の特例適用の背景に、不都合な事実を隠そうとする官僚の姿勢が浮かび上がった。
AI-generated summary
Why It Matters
朝日新聞は2025年9月に、日本郵便が放棄・隠匿事案を公表していないと報じた。総務省は2024年6月に改善を求めていたが、日本郵便は報道まで非公表を続けていた。
その書き込みがされたのは2025年10月2日。日本郵便の問題を取材する朝日新聞記者が、同社を監督する総務省に情報開示請求し、受理された直後だった。
『A社』から開示請求が来ました」。1人が報告すると、投稿が続いた。
「まあ木鼻でやる」「特別延長してほとぼりを覚めさせる」「1、2年くらい時間をかけてもよいかと」
「木鼻」とは、「木で鼻をくくる」の略とみられる。相手の要求に無愛想で冷たい態度を取るという意味だ。投稿はいずれも、開示請求への決定を恣意(しい)的に遅らせることを示していた。
投稿されたのは、総務省で郵便を担当する郵政行政部の幹部らの名前が並ぶグループチャットだった。業務で使用するオンラインツール「Teams(チームズ)」で立ち上げられ、名称は「放棄・隠匿」。朝日新聞は今回、このチャットの文面などを独自に確認した。
朝日新聞は25年9月、郵便物が捨てられたり放置されたりした「放棄・隠匿」事案の一部を日本郵便が公表していないと報じた。総務省は検査で把握し、24年6月に改善を求めたが、日本郵便は報道まで非公表を続けていた。
不祥事続いた1年3カ月、総務省の対応は
不適切な状況はなぜ、把握されてから1年3カ月間続いていたのか。総務省がこの間、日本郵便をどう指導していたのかが焦点となった。報道の直後に問うと、郵政行政部の幹部は「適切に対応してきた」と言い、詳細な説明を避けた。
記者が情報開示請求したのは直後の25年9月末。取材への回答内容が乏しいため、「総務省が日本郵便に確認や指導などを行った内容に関する全ての文書」を求めた。
チャットに書き込まれたのは、その請求に対する対応案だった。
チャットでは、21年に発覚した省幹部らの会食接待問題が引き合いに出された。「そうですね、会食問題の際の開示請求対応は、3か月くらい延長した方がいいと現次官から指示がございました」。「次官」とは、事務方トップの事務次官を指す。
「確か延長事例(長期のもの)をまとめていたと思います」と、長く開示を延ばした過去の例に言及する投稿もあった。
情報公開法は原則として請求から30日以内に開示決定すると規定するが、対象文書が著しく大量な場合などに期限を延ばす「特例」がある。その特例が「ほとぼりを冷めさせる」ことと結びつけて語られていた。
開示は特例延期、内容も大半が黒塗り
総務省は実際に特例を適用した。朝日新聞に全ての開示決定通知が届いたのは、請求から約3カ月後の26年1月半ばだった。開示文書は公表済みのものが多く、その他の大半は黒塗りだった。
情報公開法は総務省が所管する。なぜ今回、特例が適用され、内容は限定されたのか。焦点となる1年3カ月間に、総務省は何をしていたのか。
チャットの文面から浮かび上がったのは、「自分たちに不都合な事実」を伏せようと動く官僚たちの姿だった。
(チャット文言は原文のまま)
チャットの名称「センシティブな議論」に
「明日の放棄隠匿関係の想定…
What to Watch
AI outlook — possibilities, not facts
総務省の対応に関するさらに詳細な文書の開示請求が行われる
Likely · Within weeks
グループチャットの関係者に対する内部調査または懲戒処分が検討される
Possible · Within months
Open Questions
- 総務省が1年3か月間に日本郵便に対して行った具体的な指導内容は何か
- グループチャットの他の参加者は誰か
- 開示請求に対する特例延長の正式な根拠は何だったか







