2026年度最低賃金改定:知事の介入弱まり、過当競争も沈静化
過去2番目の引き上げ額を記録した2026年度最低賃金。前年度のような知事による積極的な介入や、都道府県間の賃上げ競争が限定的になった背景を分析する。
Quick Look
2026年度の最低賃金は過去2番目の高水準となったが、前年度に見られた知事による介入や都道府県間の過当な賃上げ競争は沈静化した。背景には、過度な競争を避ける全国的な機運の変化と、前政権による直接的な働きかけの終了がある。
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Why It Matters
2025年度は前政権の働きかけにより、目安を上回る大幅な最低賃金引き上げが全国的に相次いだ。都道府県の審議会では、知事が関係者として意見を伝えることで賃上げを促す動きが目立っていた。
過去2番目の高い引き上げ額となった2026年度の最低賃金。都道府県の審議会を振り返ると、前年度のような知事の「介入」は弱まり、他県より高い額をめざす競争も限定的になった。背景にあるものとは――。
働き手の確保に悩む地方にとって、最低賃金がいくらになるかは重要だ。隣県との競争を強く意識し、25年度に目安を15円上回る大幅な引き上げをした群馬は26年度、1円上乗せにとどめた。
審議会の米本清会長(高崎経済大教授)は報道陣に「昨年度は非常に強く打ちだしたが、本年度は地域で過当な競争をすることがよくないというのが全国的な流れだ」と述べた。
25年度は目安を上回る引き上げが39道府県あり、群馬を含め11県が10円以上上回った。高水準が相次いだのは、石破茂前政権で賃上げを担当していた赤沢亮正経済再生相(当時)が、各地の知事に直接、目安を上回る賃上げを求めたことが大きい。
加えて、近隣の県との格差を縮めようとしたり、負のイメージがつきまとう最下位を避けようとしたりするため、知事自身も審議会により高い引き上げを働きかける動きが目立った。経営者と労働組合の代表、中立的な立場の学者や弁護士などが話し合って決める審議会で、知事が関与する仕組みはないものの、関係者として意見を伝えることはできる。実際に意見を伝えられた審議会は、知事の意向に配慮した。
しかし、新しい最低賃金が適…
Open Questions
- 新しい最低賃金が地域経済に与える具体的な影響は何か
- 今後の賃上げペースはどう推移するか






